ライフ

発症頻度が上昇した「乾癬」の新内服薬、25年ぶりに登場

乾癬の発生頻度が上昇している

 皮膚で新たに作られる細胞は約1か月のサイクルで新陳代謝を繰り返す。尋常性乾癬(以下「乾癬」とする)を発症すると免疫細胞の異常によって皮膚に炎症が起こり、表皮細胞が過増殖する。そのため4~5日という短いサイクルで古い細胞が新しいものに置き換わる。結果、表皮細胞が重なり、盛り上がった発疹となり、古い細胞が分厚いフケのようになって発疹表面に固着するのが、乾癬の皮膚症状だ。

 他人にはうつらないが、見た目を気にして患者の生活の質が低下したりする。以前の日本人での発症頻度は0.1%とされていたが、最近は0.3%にまで上昇している。帝京大学医学部附属病院皮膚科の多田弥生主任教授に話を聞いた。

「遺伝的に乾癬を発症しやすい方がいます。その素因に加え過度な体重増加、喫煙、脂肪分の多い食事を好む、強いストレスが加わるなどの二次的要素で発症リスクが高まります。降圧剤などの薬剤の服用がきっかけで発症する方もいます。また、乾癬患者で脂肪肝がある場合は肝障害が重症化しやすいといわれ、過度の飲酒には注意が必要です」

 治療は重症度に応じ、軽症ではステロイドやビタミンD3、それらの配合外用薬塗布で対応する。中等度以上では免疫抑制薬などの内服、光線療法などを実施、重症になるとそれらに加え生物学的製剤の注射を用いることもある。

 昨年、約25年ぶりに新薬の「オテズラ」が保険承認された。乾癬では病気を増悪させる炎症性サイトカインが皮膚で増加する。新薬はこの炎症性サイトカインを少し抑制すると同時に、病気の進行にブレーキをかける抑制性サイトカインを増加させることで症状を抑える。効果は4か月で皮膚症状の改善率が約30%と穏やかだ。しかし、従来の薬では肝腎障害や血圧上昇の副作用があり、定期的な血液検査が欠かせない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

実業家の宮崎麗香
《セレブな5児の母・宮崎麗果が1.5億円脱税》「結婚記念日にフェラーリ納車」のインスタ投稿がこっそり削除…「ありのままを発信する責任がある」語っていた“SNSとの向き合い方”
NEWSポストセブン
峰竜太(73)(時事通信フォト)
《3か月で長寿番組レギュラー2本が終了》「寂しい」峰竜太、5億円豪邸支えた“恐妻の局回り”「オンエア確認、スタッフの胃袋つかむ差し入れ…」と関係者明かす
NEWSポストセブン
2025年11月には初めての外国公式訪問でラオスに足を運ばれた(JMPA)
《2026年大予測》国内外から高まる「愛子天皇待望論」、女系天皇反対派の急先鋒だった高市首相も実現に向けて「含み」
女性セブン
夫によるサイバーストーキング行為に支配されていた生活を送っていたミカ・ミラーさん(遺族による追悼サイトより)
〈30歳の妻の何も着ていない写真をバラ撒き…〉46歳牧師が「妻へのストーキング行為」で立件 逃げ場のない監視生活の絶望、夫は起訴され裁判へ【米サウスカロライナ】
NEWSポストセブン
東条英機・陸軍大将(時事通信フォト)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最低の軍人」ランキング ワースト1位はインパール作戦を強行した牟田口廉也・陸軍中将 東条英機・陸軍大将が2位に
週刊ポスト
昭和館を訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年12月21日、撮影/JMPA)
天皇ご一家が戦後80年写真展へ 哀悼のお気持ちが伝わるグレーのリンクコーデ 愛子さまのジャケット着回しに「参考になる」の声も
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
《ジャンボ尾崎さん死去》伝説の“習志野ホワイトハウス豪邸”にランボルギーニ、名刀18振り、“ゴルフ界のスター”が貫いた規格外の美学
NEWSポストセブン
西東京の「親子4人死亡事件」に新展開が──(時事通信フォト)
《西東京市・親子4人心中》「奥さんは茶髪っぽい方で、美人なお母さん」「12月から配達が止まっていた」母親名義マンションのクローゼットから別の遺体……ナゾ深まる“だんらん家族”を襲った悲劇
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
〈タバコに似ているとの声〉宮内庁が加湿器と回答したのに…秋篠宮さま“車内モクモク”騒動に相次ぐ指摘 ご一家で「体調不良」続いて“厳重な対策”か
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト