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部分入れ歯でカンジダ増殖、誤嚥性肺炎引き起こすリスクも

治療したはずの部分入れ歯で…

 銀歯にインプラント、部分入れ歯やブリッジ……中高年では、こうした歯が1本もない人のほうが珍しいだろう。ただ、“治療”したはずの歯が、さらに大きな問題の原因となることが少なくない。口腔内の問題は、放置すると全身疾患につながっていくこともある。『やってはいけない歯科治療』著者で、ジャーナリストの岩澤倫彦氏が患者に知らされてこなかった重大リスクをレポートする。

 * * *
 厚生労働省の歯科疾患実態調査(平成28年)では、60代の約6割が歯周病だという。歯周病は、細菌の感染で歯肉(歯茎)に炎症が起き、歯を支えている骨が溶けてしまう病気。日本人が歯を失う原因の1位で、虫歯よりも多い。

 中高年世代なら、ブリッジ治療を受けた人も多い。その方々は「スーパーフロス(*注)」を使ったことがあるだろうか? 名前すら知らないかもしれない。

【*スーパーフロス:ブリッジやインプラント専用のデンタルフロスの総称。1本が約60センチで、両端が硬くて中心部はスポンジ状になっている。ドラッグストアで販売しているところは少ないが、大手通販サイトで購入可能。100本入り、1000円前後でアメリカ製が多い】

 日本臨床歯周病学会・認定歯科衛生士の太田由美氏は、こう指摘する。

「ブリッジと歯肉の間は、プラークがとても溜まりやすくなっています。そこに片側が少し硬くなった、スーパーフロスと呼ばれるブリッジ専用のデンタルフロスを通してクリーニングする必要があります。でも、一度も使ったことがない患者さんが多いですね。放置していると、歯周病や口臭の原因になります」

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