芸能

指原莉乃『バチェラー2』での「恋愛解説」はクセになる

指原莉乃が婚活バトルを解説(イラスト/ヨシムラヒロム)

 恋愛や結婚をテーマとしたバラエティ番組は数あれど、Amazonプライム・ビデオの『バチェラー・ジャパン』シリーズは、ゴージャス空間で繰り広げられる浮世離れした世界にあるのにリアリティーショー、という奇妙な面白さが突出している。待望のシーズン2で、さらに日本の視聴者向けに番組のアピールポイントが変更された同番組の新たな魅力について、イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が解説する。

 * * *
 指折り数えた日がきた。そうAmazonプライム・ビデオで『バチェラー・ジャパン シーズン2』が2018年5月25日に配信されたのだ!

 ご存知のない方にざっくりとした説明を。

『バチェラー』とは、アメリカ発の恋愛リアリティー番組。容姿、収入、学歴と全てを持った独身男性(英語:bachelor)を20人の美女が奪い合う。バチェラーと女性陣は“ラグジュアリー”な空間で蜜月の時を過ごす。東京スカイツリー貸し切り、プライベートジェットでの大空散歩、豪華ヨットでのクルージング、バブル時代真っ青のデートを繰り広げる。

 各話の最後には、バチェラーが残って欲しい女性にバラを手渡すローズセレモニー。各話ごとに1~2名の女性がドロップアウト。回を追うごとに人数は減っていく“サバイバル”戦を行う。最後の1人となった女性は“真実の愛”をバチェラーと分かち合う。そして、結婚を前提とした交際をスタートさせるのだ。

「世界一の恋愛リアリティーショーの日本版が遂に!」と銘打たれ、2017年2月17日に初配信された『シーズン1』。ジワジワと火がつき、2017年度のAmazonプライム・ビデオの視聴ランキングで8位を獲得した。僕を含め「恋愛番組は興味ないけど『バチェラー』は別腹」、そんな人は多い。射止めたい意中の男性を前にしたときとそれ以外で、女性はまったく別の顔を見せる。だが、そのさまをまじまじと見る機会はそうない。『バチェラー』では、表の顔と裏の顔をクッキリと見られる。そりゃ面白いに決まっている。余談だが、テレビをそもそも見ないうちのお袋もハマった。ま、それくらいに面白いのである。

 5月25日深夜0時、『バチェラー・ジャパン シーズン2』が5話分配信された。1年ぶりに見る『BACHELOR』のロゴ。“O”の文字だけが結婚指輪をモチーフとしたイラストになっており、キラリと輝く。指輪をめぐるバトルなんて『ロード オブ ザ リング』と『バチェラー』ぐらいだ。興奮しつつ、もちろん一気見。

 いやいや『バチェラー・ジャパン シーズン2』は『シーズン1』とは別物だった。番組フォーマットは同じだが、コンセプトが違う。『シーズン1』で嫌というほどナレーションで語られた「真実の愛」なるフレーズがあまり出てこない。

『シーズン1』のバチェラー久保裕丈と選ばれた女性・蒼川愛が“真実の愛”をうたっておきながら、早々に別れたこともあるのか。前回に比べて“純愛”成分は薄い。

 かわりに打ち出されたのが“サバイバル”要素。番組バナーにも「新感覚婚活サバイバル」と明記される。『シーズン1』でロマンチックな恋愛模様の副産物としてあった女のバトルが全面に。それゆえ番組の構成も変更されていた。

『シーズン1』で、本編とは別に配信されたバチェラー・ジャパン総合プロデューサー今田耕司とゲストのトークコーナー『バチェラー・ジャパン プレミアム・トークセッション』。『シーズン2』ではこれが廃止。かわりに今田、藤森慎吾、指原莉乃がVTRを見てのスタジオトークが本編に組み込まれた。

『バチェラー・ジャパン プレミアム・トークセッション』は、ゲストの恋愛観を今田がインタビューしつつ、“ラグジュアリー”な恋愛リアリティーを応援するコーナーだった。しかし、『シーズン2』のスタジオトークは、その趣を受け継ぐことなく“ラグジュアリー”さはゼロ。本音と辛辣さ、第1話の冒頭で指原は「もっとケンカして欲しい!」と早速ゆがんだ欲望を吐露する。

 確かに『バチェラー』で起こる女性同士のケンカは面白い。ドラマで見るような大声をあげるようなことはない。それは、ある女性がツーショットから戻ったとき、つとめて明るく軽い口調で切り出したことから始まった。

女性1「あなたが2回キスしたから、私はもっとしたよ」
女性2「私はそんなの競ってないから(小声)」
女性1「ナニを!? 今、話してもらっていい?」
女性2「キスの回数とか関係ないから。(あなたは)精神状態まともじゃないというか……」

 バチェラーとしたキスの回数で淡々と揉める、生々しさと異常性がある。

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン