• TOP
  • ライフ
  • 【嵐山光三郎氏書評】評者も電車を乗り過ごした短編集

ライフ

2018.06.16 16:00  週刊ポスト

【嵐山光三郎氏書評】評者も電車を乗り過ごした短編集

 周五郎は昭和十八年(四十歳)、『日本婦道記』が第十七回直木賞を受賞と決定したが、辞退した。後にも先にも直木賞を辞退した作家は山本周五郎だけである。周五郎は「曲軒」(へそ曲り)というあだ名をつけられた「意固地」な人であった。沢木氏は大学卒業後、会社を一日で辞めて、あらゆる組織、集団に属さない「意地」をつらぬいた。そこには周五郎の姿が重なる、と回想している。

 短編集だから一編を三十分ほどで読める。第一巻の「おさん」を通勤電車で読みふけるうち、夢中になって下車駅(国立)を通りすぎて、つぎの立川駅まで行ってしまったことを白状しておこう。

※週刊ポスト2018年6月22日号

コメント 0

SNSでNEWSポストセブンをフォロー

  • LINE:友だちに追加
  • facebook:フォローする
  • twitter:フォローする

関連記事

トピックス