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無差別暴漢対策 逃げる→隠れる→戦うの順序守ることが重要

小島容疑者のような人物にどう対応すべきか(時事通信フォト)

 6月9日。東京を出発した新幹線のぞみが新横浜を発車して数分後に惨劇は始まった。12号車のシートに座っていた小島一朗容疑者(22)が無言で立ち上がるなり、手にしたナタで両隣の女性に切りかかった。

 二列後ろの席から制止しようとした会社員の梅田耕太郎さんは、小島容疑者に何度も切りつけられ、命を奪われた。梅田さんが助けようとした2人の女性は、一命をとりとめた。

 取り調べで小島容疑者は「誰でもよかった」と供述し、無差別な犯行であったことを自供。梅田さんら3人は、全くもって運悪く小島容疑者のそばに居合わせてしまった。それは、誰が被害者になってもおかしくなかったということでもある。

 この殺傷事件で、無差別殺人の衝撃とともに、世間に驚きをもって受け止められた対策があった。少なからぬ乗客が、車掌の呼びかけに応じてシートの座面を取り外し、盾のように構えて避難していたのだ。これは、JR東海の乗務員が行なう訓練で実施されている正規の防犯対策だった。

 座面が着脱式なのは、もともとは清掃と取り替えを簡略化するためだったというが、JR東海東京広報室によれば、「車両内で男性が包丁を振り回した2016年の暴漢事件をきっかけに、防犯対策として導入した」とのこと。

 実は、乗り物や施設には「その場所ならでは」の対策が施されている。危機管理コンサルタントの丸谷元人氏は、どのような状況であっても原則的に「【1】逃げる、【2】隠れる、【3】戦う」の順序を崩さないことが重要だと指摘する。

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