ただし、薬に「副作用」があるのと同様、効果がある健康食品ほど、それに伴うリスクも存在する。
「健康食品は身体に影響するからこそ、効き目と同時に副作用のリスクが生じます。とくに健康食品を大量に摂取すると効きすぎて身体に異常をきたしたり、通常量でも薬との飲み合わせで健康被害が出ることもある。だからこそ“健康食品も薬と同じように注意する”という意識が必要です」(前出・宇野氏)
◆国内外の研究結果を精査
そうした注意を要するにもかかわらず、健康食品にはチェック機能が存在しない。
「米国では健康食品は医薬品に近い厳格さがある法律で厳しく品質チェックをしますが、日本の健康食品は食品の法律だけが適用され、トクホを除いては第三者チェックが行なわれません。また医薬品には副作用や使用上の注意を記した『添付文書』がありますが、健康食品には存在しないことから、消費者がそのリスクを知ることが難しい」(宇野氏)
ただし、副作用について国が調べていないわけではない。「国立健康・栄養研究所」は長年にわたって健康食品の情報をデータベース化している。
同研究所の母体は1920年に設立された栄養研究所だ。以降、同研究所は1世紀近くにわたって、国民の健康・栄養政策を充実させるための研究を重ねてきた。その大きな柱の一つが「健康食品」である。同研究所は、市場にあふれる多くの健康食品やその食品成分などについての情報を集積し、「『健康食品』の安全性・有効性情報」としてインターネット上に掲載している。