肺がんも、心臓と重なっている場所にある場合は非常に見つけにくいという。「1回の画像診断だけで安心してはいけない」と語るのは、脳神経外科医の工藤千秋氏だ。

「膵臓がんなどと同じく、脳腫瘍の初期や脳梗塞のごく小さなものは、画像診断の専門医でも分からない場合があります。私は、画像には異常が無くても患者の訴えや、これまでの診察の中で気になった人には、“1か月後、3か月後と定期的に診せてください”と言っています。2回目以降はCTやMRIだけでなく、エコーやレントゲンなど、違う角度からの検査も行ないます」

 画像診断の多い各病院は、対策に乗り出している。

「熊本大病院では、担当医が画像診断報告書を読まない限り、主治医の電子カルテに警告が出続けるようになっています」(放射線診断専門医である熊本大学大学院・生命科学研究部教授の山下康行氏)

 千葉大病院は「再発防止策」として、〈平成30年7月1日に画像診断センターを設置し、放射線診断専門医を増員する〉〈放射線診断専門医による画像診断報告書を、患者様にも一緒に確認していただく仕組みをつくる〉ことを掲げた。

 秋津医院院長の秋津壽男氏(総合内科専門医)はその対策に一定の評価を与えたうえで、こう付け加える。

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