スポーツ

セネガル戦で半端ないヘディングした日本人サポーターの正体

この姿で見事なヘディングを見せた(写真提供:カカロニ 菅谷直弘)

 ロシアW杯で、開催前の期待度や予想をいい意味で裏切り快進撃を続ける西野ジャパン。2試合目のセネガル戦では、スコアを記録した乾貴士と本田圭佑同様、いや、ある意味ではそれ以上に注目された人物がいた。あの“半端ないヘディング”を決めた日本人、実は──サッカー取材を続けているフリーライターの竹田聡一郎氏がリポートする。

 * * *
 セネガル戦、1対1の同点で迎えた後半6分だった。右サイドから流れてきたボールを、ペナルティーアーク付近でセネガルの17番、パパ・アリウヌ・エンディアイエが振り抜いた。右足インフロントにかけて曲がり落ちる軌道をイメージしたキックだったが、少しふかし気味にボールは打ち上がってしまい、日本サポーターが陣取るゴール裏に飛び込んだ。

 その瞬間である。観客席で上半身裸のサポーターらしき人物がこのボールに頭で合わせた。

 さすがW杯、日本では深夜だったにもかかわらず視聴率30%台を記録したコンテンツだけあって、このヘディングはSNSなどでは瞬く間に「個人的ベストシーンはサポーターのヘディング」「いまヘディングした日本のサポーター、只者ではない」「ゴール裏サポーター半端ないって。あの人半端ないって。セネガルのシュートをヘディングで返すもん。そんなんできひんやん普通」などと、賛辞と驚きを集めた。

 そして、このサポーターの正体だが、なんと若手芸人なのだ。実は、偶然にも筆者の知り合いだったのである。草サッカーで同じチームを組んだこともある。

 サンドウィッチマンやカミナリ、ピン芸人の永野などがいる事務所・グレープカンパニーに所属するお笑いコンビ「カカロニ」のツッコミ担当・菅谷直弘27歳。仕事は前説中心だという。

 ボールが飛んで来た瞬間について、本人は「あまり覚えていませんが」と振り返りながらも、「西野ジャパンと共に選手と戦っている気持ちだったからか、やはり手を出してはいけないとリトル菅谷が囁いたのでしょう。反射的に頭が出ました」とのことだ。

 気になるサッカー歴は20年。人生で一度もレギュラーをとったこともないし、ヘディングでゴールしたことも皆無。それでも「できなかったからこそ今もサッカー大好きなんですよ」と語る。現在も芸人とアルバイトと日本代表応援をこなしつつ、草サッカーに汗を流す。コンビ名の「カカロニ」も菅谷の好きなロナウジーニョ、同じくサッカー経験のある相方・栗谷悟史の好きなカカからとったらしい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
“もしトラ”リスクも…(写真/AFP=時事)
【緊迫する中東情勢】イラン・イスラエルの報復合戦、エスカレートすれば日本にも影響 “もしトラ”リスクが顕在化
週刊ポスト