芸能

韓国のTWICEになぜ日本の女子は夢中になったのか

Instagramから抜け出してきたかのようなTWICEメンバーたち(Imaginechina/時事通信フォト)


◆TWICEはK-POPガールズグループ第4世代

 K-POPにおけるガールズグループ(GG)には、1990年代後半の勃興期から数えて大まかに四つの世代に分かれると言われています。2010年代に日本でも大ヒットを記録した少女時代やKARAなどが記憶にあると思いますが、彼女たちが世界にK-POPを知らしめることになったGG第2世代にあたります。

 その後肌の露出やダンスの際どさを増して男性ファンの視線を釘付けにしたAOAやSISTAR、EXIDらセクシー系のグループは第3世代。そして、TWICEや日本上陸でもそのライバルとなるべく切磋琢磨しているヒップホップ派のBLACKPINK、清純派GFRIEND、『BBoom BBoom』の大ヒットで突如急浮上したMOMOLANDなど昨今新たなK-POPブームの機運を盛り上げてきているのが第4世代にあたります。

 それ以前のお姉さんグループとTWICEら第4世代の最も大きな違いは何かといえば、支持層の変化です。それまでの第3世代はセクシー派であって二十代男性中心のファン層をキープしていました。対抗勢力として存在したのも「清純派」と呼ばれるApinkやLOVELYZら日本でもおなじみのスタイルであるブリッコポップ勢でしたから、やはり男性ファンの支持がチャートを動かしていたわけです。アイドル界はなんといっても十代少女の独壇場であったにもかかわらず、その熱意はずっと男性グループにだけ注がれていたわけです。

 2015年前後からリアルタイムで同世代少女たちのライフスタイルを反映し、共感を得る新しい傾向のグループとして登場したのがTWICEら第4世代です。テレビ番組『SIXTEEN』で過酷なオーディションを経て選抜されたTWICEは、デビュー前の段階で多くのファンから共感を得ていました。デビューミニアルバム『THE STORY BEGINS』からの活動曲(K-POP用語で「シングルカット曲」)の『Like OOH-AHH』は、「みんな私のことをほっといてくれないの。可愛すぎるからよね」と高飛車に切り出す歌詞で始まります。それまでの世代が持っていた男性への媚びや遠慮を吹き飛ばす強烈な爆弾として打ち込まれました。

 男尊女卑がまだまだ支配的な韓国社会では、声高に女性が権利を主張することは歓迎されません。しかし、あたまでっかちな権利や平等を唄うのではなく、”カワイイは正義!”を全面に押し出した勝ち気でなおかつキュートなTWICEのハジけた歌声とダンスは、少女たちが抱えていた鬱屈を吹き飛ばす応援歌……いや大げさに言えば革命のテーマソングとしてシーンに響き渡ったのです。同世代少女の憧れと期待を全身に引き受けてTWICEの快進撃が始まります。この破竹の勢いは「少女による少女のための少女革命」と呼ぶべき、K-POPの新局面を切り開くものだったと思います。

 さて韓国内であっと間に不動のトップを奪取したTWICEですが、2017年には早速次の大きな目標が掲げられます──それが日本市場の開拓でした。

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