こうやって絶賛しながらも、最後に『有吉弘行の脱ぬるま湯大作戦』の気になった2つの点を書いて終わりたい。
一点はゲーム性について。上記したように様々なミッションが有吉御一行を襲うが、そのクリア判定基準がとっても曖昧だ。「有吉弘行がギブアップ」しなければOKということらしい。つまり、ギブアップ宣言さえしなければなんでも良いということになる。ゆえにミッションも“耐える系”のものばかり。そこにマンネリを感じた。せっかく、坊主をかけて対決をしている。何個かは白黒分かるゲームに取り組んで欲しいと思った。
二点めは演出について。Amazonプライム・ビデオのバラエティ番組は、スケールはデカいが演出が苦手な傾向がある。この番組もそれであった。総じて民放番組と比べてテンポが遅く、1つのパートが長く感じる。
なんだかんだディスってしまったが、“笑い”に全振りした番組は大好きなので『有吉弘行の脱ぬるま湯大作戦』の満足度は高い。2日間かけて撮影されたというバラエティ番組の王様の強行軍。有吉御一行は「もうやだよ」、「疲れたよ」と言いながらもミッションに挑戦する。発せられるワードこそネガティブだが、芸人達の顔は純粋な“笑い”が表現できる充実感に満ち満ちていた。そこに青春を感じる。
良い意味でも悪い意味でも何も得るものがない番組。この夏、“笑い”で時間を無駄にしたい方にオススメしたい。