国際情報

中国仏教協会のドン セクハラ、パワハラ、腐敗発覚で辞任

中国仏教界が揺れている

 中国仏教協会は8月15日、中国政府が同協会トップの学誠・会長による尼僧へのセクハラ、パワハラ、さらに多額の公金横領などの疑惑について調査を開始したとして、同氏の辞任を承認したことが分かった。

 学氏は中国人民政治協商会議(政協)常務委員などを務め、中国の宗教政策決定にも深く関与しており、「仏教界のドン」とも呼ばれているほどの実力者だが、最近、学氏の弟子から95ページにも及ぶ告発状がネット上で公開されたほか、以前からセクハラ疑惑が噂されており、腐敗問題や規律問題に厳しい習近平指導部も無視できなくなったようだ。

 中国内では大学の教員や党・政府機関幹部らによるセクハラ問題が告発され、加害者男性が辞職などに追い込まれているが、「#MeToo」問題は仏教界にも波及した形だ。

 学氏は1966年、福建省の農村部生まれで、現在51歳。熱心や仏教徒だった祖母や母の影響で15歳で出家。福建仏教学院から、仏教研究の最高峰である北京の中国仏学院に進み、1991年に修士課程を修了。1995年に福建仏教学院院長、1998年に福建仏教協会会長に就任。

 この時期の福建省トップは習近平氏で、学氏は習近平一家の信頼が厚く、のちに習氏が中央政界に躍り出るとともに、学氏も北京の古刹、龍泉寺の重職や政協委員、さらに政協民族宗教委員会副主任、仏教協会長などに就任し、とんとん拍子に出世した。

 しかし、中国の最高指導者との親しい関係もあってか、このころから驕りや傲慢さ、邪心が表に出るようになり、尼僧へのセクハラや性行為疑惑がささやかれ始めた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
香港の魔窟・九龍城砦のリアルな実態とは…?
《香港の魔窟・九龍城砦に住んだ日本人》アヘン密売、老いた売春婦、違法賭博…無法地帯の“ヤバい実態”とは「でも医療は充実、“ブラックジャック”がいっぱいいた」
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン