国内

美智子さま 戦没者追悼式で天皇陛下にかけられた「お言葉」

天皇皇后として最後の追悼式に緊張の色が滲む両陛下(撮影/黒石あみ)

 刻一刻と「平成」の終わりが近づく。天皇皇后両陛下にとって“最後の夏”。出席30回目の全国戦没者追悼式では、おふたりの信頼と絆が表れた、ハプニングのワンシーンがあった──。

 天皇陛下は「世界の平和とわが国の一層の発展を祈ります」と「おことば」を締めくくると、《全国戦没者之霊》と記された標柱に向かって、深く一礼された。ゆっくり顔を上げると、左手に式辞を持たれたまま、時が止まったかのような静寂が流れた。その間、およそ7秒間。

 陛下の左側に一歩下がって立たれていた美智子さまが、そのとき、動かれた。陛下のおことばを拾うためのマイクに、美智子さまの穏やかで丁寧な音声が、不意に入り込んだ──。

 8月15日、終戦記念日。皇居・千鳥ヶ淵にほど近い日本武道館(東京都千代田区)では、例年通り、天皇皇后両陛下の臨席の下、「全国戦没者追悼式」が行われた。

「陛下は公的行事の中でも、戦没者追悼式を特に重要視しておいでです。ご自身も戦争を経験され、不戦と平和を願うお気持ちが強い。たとえば、御所から武道館までは、御料車『センチュリーロイヤル』に乗車されます。その車は、国会開会式や国賓接遇など、限られた場面でしか使われません。陛下ご自身が威儀を正して臨まれていることが感じられます」(皇室記者)

 なにより、今年の追悼式は来年4月末の退位前、最後の式典である。11時50分過ぎ、司会が列席者に起立を促し、会場が静まりかえると両陛下がゆっくりとその姿を見せた。陛下の真一文字に結ばれた唇には、緊張感と覚悟が滲む。

 国歌斉唱、首相の式辞などの後、両陛下は標柱の正面へと歩を進められた。本来であれば、両陛下は一度立ち止まって一礼され、さらに数歩前に出てから再度、一礼される。そして、その直後に流れる正午の時報とともに黙祷を捧げられる予定だった。

「しかし、陛下は最初の一礼をされてから、なかなか前にお進みになりませんでした。それに気づいたのは美智子さまです。うつむきながら少し顔を陛下の方に向け、言葉をかけられたようでした。すると両陛下は5歩進まれ、先に美智子さまが深々と一礼されました。陛下に所作をお伝えするためだったのかもしれません」(前出・皇室記者)

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト