芸能

さくらももこさんの人生 仕事、家族、郷土愛、飲尿健康法他

さくらさんは健康に気を使っていたという(アニメ『ちびまる子ちゃん』HPより)

『ちびまる子ちゃん』の作者である、漫画家のさくらももこさんが8月15日に乳がんのため亡くなった。享年53。40代半ばでがん発覚後、治療を続けながらも仕事のペースは落ちなかった。

 さくらさんは1965年、主人公・まる子と同じく静岡県清水市に生まれた。中学生の頃から少女漫画雑誌に作品を投稿。当時は正統派の恋愛漫画を描いていたが、賞には縁がなかった。

「高校2年生の時に、学校で行われた作文のテストで95点の高得点をとり、先生から“エッセー調の文体が高校生とは思えない”と大絶賛され、“現代の清少納言”と評されました」(さくらさんの知人)

 静岡県の短大に進学。在学中の1984年、漫画雑誌『りぼんオリジナル』にて『教えてやるんだ ありがたく思え!』でデビュー。1986年に短大卒業後、上京して出版社に就職するも、漫画1本に集中するため、2か月で会社を辞めた。3か月後には『りぼん』で『ちびまる子ちゃん』の連載が始まった。

 1989年、当時の編集担当者Aさんと結婚し、1994年に長男が誕生。その時の喜びや子供の成長をさくらさんは、『赤ちゃん日記』(小学館)で、こう表現した。

《おひさまもこいのぼりも みんなあなたが すこやかに成長することを祈っています》

 しかし、幸せな生活は長くは続かなかった。Aさんが結婚後、出版社を退社し、さくらさんの個人事務所『さくらプロダクション』の代表に就任すると、夫婦にすきま風が吹き始め、1997年の秋にふたりは別居、翌年離婚した。4才になった長男の親権はAさんが持つことで合意したが、育てあげたのはさくらさんだった。

 シングルマザーとして子育てに励んでいた中、2002年にさくらさんは、長男と共著で絵本『おばけの手』(幻冬舎刊)を出版した。

「まとまりのないストーリーですが、それが子供らしい発想だと話題を呼びました。長男のペンネームはさくらめろんといいますが、その理由は甘いメロンが好きだからだそうです」(出版関係者)

 その翌年、さくらさんはイラストレーターのうんのさしみ氏と結婚。再婚のきっかけとなったのは、長男だった。

「再婚する前に、息子さんが彼に“お父さんになって”とお願いしたそう。さくらさんは息子さんにどう言おうか悩んでいたそうですが、あっさり打ち解けたので驚いたそうです」(前出・知人)

 それから数年後、病魔がさくらさんを襲う。乳がん専門医で医療法人社団進興会理事長・森山紀之さんが言う。

「乳がんはステージ1で治療開始できれば10年生存率は9割を超える。しかし、末期のステージ4なら生存率20~25%。つまり4人のうち3人は10年生きられない。乳がんが厄介なのは、転移しやすいこと。とくにリンパ節、肺、骨、脳などに転移しやすく、抗がん剤による治療は長引くほどに患者の心身に大きな負担となります」

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト