スポーツ

高校球児を狙う「プロ彼女」 エリートもかくして翻弄される

甲子園での人気者はSNS使用にも細心の注意が必要

 容姿端麗で性格も良く非の打ち所がない、有名人の交際相手や妻に対して使われていた「プロ彼女」という呼び方。その言葉が乱発されるに従って、いまでは芸能人や有名スポーツ選手の“彼女になるプロ”という意味で使われることが多くなった。その広義での「プロ彼女」のターゲットには、甲子園球場で活躍する爽やかな高校球児も入っているという。プロ彼女対策に奮闘する高校野球関係者の苦労について、ライターの森鷹久氏がレポートする。

 * * *
 今年も大いに盛り上がった夏の甲子園大会。惜しくも準優勝だったが、秋田県勢としては実に103年ぶりに決勝に進出した県立金足農業高校の活躍が話題を呼び、同校の不動のエース・吉田輝星投手(三年)の人気もうなぎのぼりだ。大会終了後、ネット上で話題となったのが、この吉田投手が「ツイッター」にアカウントを開設した、ということだ。スポーツ紙記者が振り返る。

「学校によっては球児に“SNS禁止令”を出しているところもありますが、やはり若者。SNSで独自に心情を吐露している子もいて、記者は逐一チェックしています。吉田投手がツイッターを開始したとなれば大ニュース。最初は“成りすましか”とも言われていましたが、どうやら本当だったようです」(スポーツ紙記者)

 開設後数時間で、数万のフォロワーがついた吉田投手のツイッターアカウントだったが、その日のうちに投稿はすべて削除され、「やめます」という宣言のみ残された。金足農業の他の選手によるツイッターアカウントも存在していたが、すべて同日に投稿が削除されている。

 アカウントを開設してすぐに削除といった慌ただしい動きの裏には、どういった事情があったのか? 吉田投手が個人的に「世間にお礼を言いたかった」ため、との見方もあるが、さる高校野球関係者は、そこに高校球児を狙った「プロ彼女」ともいうべき人々の存在が関係しているのではないかと指摘する。

「高校球児はとにかくモテます。甲子園期間中、選手の宿舎の周りにはたくさんのおっかけ女性ファンが待っていて、選手の出入り時にプレゼントを渡したり手紙を渡したりする。最近ではSNSで懇意の選手を見つけ、メッセージを送ったりする女性もいるほど。マスコミの取材や慣れない声援を受けて選手が舞い上がらないよう気を付けている教員側からするといい迷惑なんですが……」(高校野球関係者)

 高校野球関係者から見た「プロ彼女」とは、たいてい選手たちより少し年上の女性たちだ。何年も続けて高校球児たちを追いかけているので、高校生男子の好奇心につけこんで選手と直接、コンタクトをとり、関係をもつほど親密になる術をよく心得ている。同世代の中では大人っぽくみえる甲子園球児だが、経験を積んだ彼女たちの手にかかれば、たいていは思い通りに操られてしまう。人生を左右するかもしれない大切な決断をくだす時期に、誰かに簡単にコントロールされる状況におかれるのは、望ましいことではない。だから、彼女たちが接触しづらいように関係者は常に配慮している。

 そういった配慮のひとつとして、高校球児に「変な虫」が付かぬよう、選手たちにはSNS禁止令を出している学校もある。吉田投手に関しても、関係者が吉田投手にSNSの自制を促したのでは? という見方である。もちろん、SNSを利用していたがために他の無用なトラブルに晒される危険性だってある。

 たとえば、同級生の交際相手と撮った写真を過去にアップしていれば、その名前、住所といった情報があっという間に特定される。もし、過去に掲載した写真にたばこや酒が写っていようものなら、それがたとえ本人のものではなくとも、学校などへ「通報」され、大きな騒動になってしまう。

 いまは甲子園が終わり国体、そしてドラフトに向けて、球児たちにとって大切な時期。変なトラブルに巻き込まれてはいけない、まして女性との交際など浮ついていては困るというのが指導者たちの本音だろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん
《“ドバイ案件”疑惑のウクライナ美女》参加モデルがメディアに証言した“衝撃のパーティー内容”「頭皮を剥がされた」「パスポートを奪われ逃げ場がなく」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
【伊東市・田久保市長が学歴詐称疑惑に “抗戦のかまえ” 】〈お遊びで卒業証書を作ってやった〉新たな告発を受け「除籍に関する事項を正式に調べる」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者が逮捕された
《不動産投資会社レーサム元会長・注目の裁判始まる》違法薬物使用は「大きなストレスで…」と反省も女性に対する不同意性交致傷容疑は「やっていない」
NEWSポストセブン
女優・福田沙紀さんにデビューから現在のワークスタイルについてインタビュー
《いじめっ子役演じてブログに“私”を責める書き込み》女優・福田沙紀が明かしたトラウマ、誹謗中傷に強がった過去も「16歳の私は受け止められなかった」
NEWSポストセブン
中国の人気芸能人、張芸洋被告の死刑が執行された(weibo/baidu)
《中国の人気芸能人(34)の死刑が執行されていた》16歳の恋人を殺害…7か月後に死刑が判明するも出演映画が公開されていた 「ダブルスタンダードでは?」の声も
NEWSポストセブン
13日目に会場を訪れた大村さん
名古屋場所の溜席に93歳、大村崑さんが再び 大の里の苦戦に「気の毒なのは懸賞金の数」と目の前の光景を語る 土俵下まで突き飛ばされた新横綱がすぐ側に迫る一幕も
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(右・時事通信フォト)
「言いふらしている方は1人、見当がついています」田久保真紀氏が語った証書問題「チラ見せとは思わない」 再選挙にも意欲《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、夫の音楽家・塩入俊哉氏(時事通信フォト、YouTubeより)
「結婚前から領収書に同じマンション名が…」「今でいう匂わせ」参政党・さや氏と年上音楽家夫の“蜜月”と “熱烈プロデュース”《地元ライブハウス関係者が証言》
NEWSポストセブン
学歴を偽った疑いがあると指摘されていた静岡県伊東市の田久保真紀市長(共同通信/HPより)
《伊東市・田久保市長が独占告白1時間》「金庫で厳重保管。記録も写メもない」「ただのゴシップネタ」本人が語る“卒業証書”提出拒否の理由
NEWSポストセブン
7月6~13日にモンゴルを訪問された天皇皇后両陛下(時事通信フォト)
《国会議員がそこに立っちゃダメだろ》天皇皇后両陛下「モンゴルご訪問」渦中に河野太郎氏があり得ない行動を連発 雅子さまに向けてフラッシュライトも
NEWSポストセブン
参院選の東京選挙区で初当選した新人のさや氏、経世論研究所の三橋貴明所長(時事通信フォト)
参政党・さや氏が“メガネ”でアピールする経済評論家への“信頼”「さやさんは見目麗しいけど、頭の中が『三橋貴明』だからね!」《三橋氏は抗議デモ女性に体当たりも》
NEWSポストセブン
かりゆしウェアをお召しになる愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《那須ご静養で再び》愛子さま、ブルーのかりゆしワンピースで見せた透明感 沖縄でお召しになった時との共通点 
NEWSポストセブン