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薬には恐ろしい副作用も、だが「圧倒的にいいこと多い」と薬剤師

薬との適度なつきあい方は?(写真/アフロ)

 薬をのんだのに、かえって体調が悪くなった。そんな経験がある人も多いだろう。効き目が弱かったのかと思って使用を続けると、さらに悪くなるばかり。ひょっとして、それは薬の注意書きにもない「未知の副作用」かもしれない。

 この3年間で“新発見”された有名薬の副作用を紹介する。

 厚労省によれば、2025年には患者数が約700万人に達すると推計されている認知症。現在でも65才以上の高齢者の5人に1人が認知症患者という計算になるが、その原因として最も多いアルツハイマー型認知症は、男性より女性に多く見られる。

 認知症治療薬『メマリー』には2015年8月に横紋筋融解症、肝機能障害、黄疸が、同『レミニール』には2015年10月、やはり横紋筋融解症の副作用が追記された。横紋筋融解症は尿の色がコーラ色にまで濃くなる。高齢者の尿の色には注意を払いたい。

 血液をサラサラにする働きを持ち、脳卒中や心筋梗塞の治療に使われる『イグザレルト』は、納豆や緑黄色野菜などの摂取制限がないことからよく使われる薬だが、2016年4月に「血小板減少」の副作用が追加された。

 同じく、『リクシアナ』も血液をサラサラにする薬で、2016年4月に肝機能障害と黄疸が、2018年1月には、肺の肺胞と肺胞の間の薄い壁である間質が炎症などを起こす間質性肺疾患の副作用が加えられた。

 胃酸を抑える働きがあり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の治療に使われる『ネキシウム』にも2016年2月、横紋筋融解症の副作用が付け加えられている。

 タミフル、リレンザと並び、インフルエンザ治療薬として知られる『イナビル』。2010年に承認され、一度の吸入で治療が完結するとあって根強い人気があるが、2017年8月には気管支が痙攣して細くなる気管支攣縮と呼吸困難、2018年8月には異常行動が副作用として加えられている。

 トイレが近くなる原因の1つで、膀胱内に尿がそれほど溜まっていないのに排尿筋が収縮して尿意を催す「過活動膀胱」という病気がある。多くの女性を悩ませるこの病気の治療薬『ベタニス』も例外ではない。頭痛や動悸などを引き起こす「高血圧」が副作用として新たに加えられている。

 こう聞くと怖くなってしまうが、医薬情報研究所を運営するエス・アイ・シー取締役で、薬剤師の堀美智子さんが薬とのつきあい方を説く。

「薬には副作用がつきものですが、それより圧倒的に効果の方が大きい。だからこそ処方されているのです。怖がって自己判断でのむのをやめたり、反対に“そんな副作用が起きるはずがない”と決めつけたりするのは危険。新たな副作用の情報は注意事項として意識しつつ、うまく薬を利用しましょう」

 薬との適度なつきあい方が求められる。

※女性セブン2018年9月13日号

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