吉田は今春に八戸学院大学への進学が内定し、甲子園期間中も「いずれはプロに行きたい」と留保条件を付けてきただけに、より一層話題をさらったのだ。
巨人発言の裏には、準決勝で「レジェンド始球式」を務めた巨人OB・桑田真澄氏の存在が念頭にあったのではないかといわれている。吉田は桑田氏に尊敬の念を抱き、試合前には「(後攻を取って)桑田さんの横に並びたい」と話した。小学生時代に吉田が所属した「天王ヴィクトリーズ」の河村正悦監督が言う。
「野球を覚える中で、目指す投球スタイルを考えた時、桑田投手が自分のイメージにマッチしたんでしょう。守備のフィールディングや配球の考え方を参考にしているのだろうと感じます」
17歳の素直な気持ち表明さえタブー視するのが、高校野球界の“空気”だ。
◆輝星だけでなく雄星も泣かされた
吉田と八戸学院大野球部・正村公弘(やすひろ)監督を引き合わせたのは、34年前に金足農をベスト4に導いた元監督・嶋崎久美氏だった。昨秋の紹介以降、正村監督は往復8時間かけて、何十回と吉田の指導に足を運んだ。