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初詣の歴史は案外浅い、鉄道の発達と共に広まったもの

「初詣」の初出。明治18年1月2日の東日新聞

「クールジャパン」の一角を成しているのは間違いなく日本の「伝統」だろう。だが、私たちが「伝統」と信じているものの中には歴史の浅いものが結構含まれている──。

 正月に家族総出で初詣に繰り出す。まさしく日本の伝統のイメージだが、「初詣は明治中期に成立した比較的新しい行事。鉄道の発達と共に広まったものです」と語るのは九州産業大学の平山昇准教授だ。

 新聞での「初詣」の初出は明治18年で、「初詣」を最初に広めたのは川崎大師である。東海道線の開通は明治5年だが、その後まもなくして正月に川崎大師へお参りに行く人が増えた。

「江戸時代までの参詣は、縁起を担いで“いつ”“どこに”を気にして参る『恵方詣』でした。でも鉄道の開通で、『恵方などにこだわらず、汽車に乗って楽しくお参りしよう!』と、レジャーの要素が加わります。

 鉄道のおかげで急に賑わいを見せた川崎大師で、縁日とも恵方とも関係のない新しい正月の参詣が『初詣』となりました」(平山准教授)

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