帰国後には、一人娘の也哉子(42)や孫と一緒に、都内の中華料理店で食事する姿が報じられた。杖を突いていたものの、足取りは“全身がんだらけ”とは思えないほどだったという。
〈抗がん剤で髪の毛が抜けたり、生活の質を下げてまで治療するのはどんなものか、と思ってね。食べたいものを食べて、飲みたいものを飲んでという、当たり前の生活を送りたいのよ〉
がん告白後、『週刊新潮』の取材に樹木さんはそう答えていた。
8月13日、樹木さんは友人宅で転倒し左大腿骨を骨折。15日に手術を行なったが、その後一時危篤状態に陥ったこともあったという。声が出せず、筆談で生活を送った。
結果的に叶わなかったが、9月4日に行なわれた10月公開映画『日日是好日』のプレミアム試写会への登壇を、直前まで切望していたという。そして入院から約1か月、樹木さんは慣れ親しんだ自宅に戻った。
〈自宅でみんなに囲まれて、夫(内田裕也、78)には「おたくどちら様ですか?」ぐらいのことは言って死にたい〉
2016年2月に出演した『クローズアップ現代』(NHK)で、今際(いまわ)への希望をそう明かしていた樹木さん。治療法の選択は“生き方”を選ぶことにほかならない。そんなふうに考えさせられる。
※週刊ポスト2018年10月5日号