橘:政治的に微妙なテーマを扱うときは、「党派」のレッテルからいかに身をかわすかに意識的でないとヒドい目にあいますよね。でも逆にいうと、どちらかの党派に入ってしまえば楽なんです。思考停止できるし、右か左かにかかわらず「○○はけしからん!」みたいな本を書けば一定数の読者はいるわけですから、ちゃんと商売が成り立ちます。面白くはないでしょうけど……。

◆実名でリベラルな発言をすることの恐ろしさ

中川:保守とリベラルでどっちの人数が多いかと言ったら、私の実感としたら1対9くらいなんですよ。リベラルが1です。

橘:私は3対7くらいかと思ってましたが。

中川:声の数で言ったら3対7で正しいと思うんです。少数派であるリベラルが、必死に“狂った”日本の状況を何とかを変えようと思っている。人数的には9分の1くらいしかいないけど、とにかく危機感を持っているからなんとか必死に3倍の声を上げている状況かなと。最初、私はネトウヨ批判側として、ネットでの発言をやり始めたんです。2010年くらいから3年半くらいはそんな感じでした。ただ、それ以後、ちょっとおかしくなってるぞと。むしろ左が嫌いになっていったんです。その過程で反原発の運動があり、在日へのヘイトスピーチへのカウンター活動があり、LGBTとか、沖縄とか色んなイシューが出てきた。でも毎回出てくる人が同じなんです。反安倍政権というところで一致した人たちが、何でもいいから共産党と社民党と組んで、あるいは立憲民主党の誰かと組んで動こうというのが見え隠れしていて、そのいつもの方々が毎回元気なわけですよ。この人たちはすごい危機感もあるし使命感もあるんだなってわかる。それがさっきの声の数の「3」に出ているのだと思います。

橘:リベラルの退潮は、朝日新聞などを見ていても、「知識人」として論評するひとがどんどん減っていることに表われていますね。戦後民主主義の全盛期は大御所みたいなひとがいたうえで、次から次へと新しい論客が出てきた。いまでは同じ人物が時事評論から政権批判までなんでもやっていて、よく考えたら5人くらいしかいないんじゃないかという状況になっている。大衆知識人にかぎれば、明らかに保守派の方が人材が豊富ですよね。

中川:先日、朝日新聞に東京医大のデモを報じる記事が出ていたんですね。そこで取材をされていた一般人風の参加者のコメントがあったんですけど、その人、いつも反政権の活動をしている女性なんですよ。朝日もこの人にしかコメントを取れなかったのかと呆れました。

関連キーワード

関連記事

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト