国内

山口の工業地帯「大人の社会派ツアー」がキャンセル待ちの人気

幅が約1.2kmある石灰石鉱山は絶景ポイント

 本州最西端の地、山口県。その中西部に位置する宇部市、美祢市、山陽小野田市は古くから石炭、石灰石、粘土などの豊かな天然資源に恵まれ、近代産業の発展を大きく担ってきた。

 しかし、萩市や下関市など同県の周辺他市に比べ、知名度のある観光資源がないことから、観光地としての認識は低かったと、宇部観光コンベンション協会の植杉謙治さんは言う。

「この3市は、老舗企業が数多く立地する工業地帯。それを何か観光に生かせないかと思い、産業観光の研究を始めました」(植杉さん・以下同)

 地元の資源を生かして産業を発展させてきた歴史や社会貢献を、そこで暮らす人が伝えることが観光になると、『宇部・美祢・山陽小野田産業観光推進協議会』を2007年に設立。本格的な取り組みが始まった。

「3市の発展には“三翁”と呼ばれる先人の存在が欠かせません。三翁とは、石灰産業を興した宇部の渡邉祐策翁、大理石発掘に尽力した美祢の本間俊平翁、民間初のセメント製造会社を設立した山陽小野田の笠井順八翁です。彼らが作ってきた歴史を物語にして、企業の取り組みなども織り交ぜて、バスで巡って見学します」

 ツアーは『大人の社会派ツアー』と題し、現在は27コースある。なかでも『セメントの道』が人気だ。

「渡邊祐策翁が興した化学メーカー『宇部興産』(宇部市)では、石灰石が大型重機を使って採掘される様子やセメント工場が見学できます」

 宇部興産専用道路の途中にあるトレーラー整備場は特に人気。全長約30mのダブルストレーラーが姿を現すと、その大きさにツアー客から歓声があがるという。

 約7時間で料金は6900円。年内の同ツアーは、すでに予約でいっぱいだが、キャンセル待ちをしている人も多い。

 宇部市のときわ公園内には日本初の『石炭記念館』もあり、日本のインフラの底力を再発見できる。

※女性セブン2018年10月4日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン