特に厳しい弾圧に晒されているのは、政府の認可がないため教会を持てず一般の民家等で礼拝を行う家庭教会(地下教会)の信徒たちだ。中国には現在、このような家庭教会がおよそ2000あり、約9000万人が所属すると言われるが、とりわけ深刻な被害に遭っているのは中国共産党政権への厳しい批判を隠さないキリスト教系の新興宗教団体・全能神教会の信徒たちである。生命の危険を察した信徒たちは国外逃亡を図り、昨年まで30名ほどだった在日の信徒も現在その10倍以上に増えて難民化している。

 これら約9000万人の地下キリスト教徒が、法輪功、ウイグルに次ぐ第3の臓器源として新たに狙いを定められているであろうことは想像に難くない。

 そして現在、あろうことか中国は、この悪魔のビジネスモデルを「中国スタンダード」として世界へ輸出しようと目論んでいる様子が窺える。

 昨年11月、中国臓器移植発展基金会(COTDF)は臓器割当に関する合意をマカオ衛生局と締結。マカオでは今年1月から中国から臓器が輸入され、中国モデルによる移植スタッフの養成もはじまった。マカオより早く、COTDFには既に香港も加盟している。

 中国の野心はこれにとどまらない。昨年昆明市で開催された中国臓器移植会議で前述の黄潔夫・中国衛生部元副部長は、この臓器輸出を「一帯一路」構想の一部として発表した。つまり、悪魔のビジネスモデルをユーラシア、アフリカ、オセアニアのスタンダードに、ひいては世界標準に広げようという戦慄の未来図を広げてみせたのである。

◆米中「人権戦争」が始まった

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