◆問題点4/低い発見率
まずいバリウムを我慢して飲むのは、早期発見のためだ。しかし、検査で発見される3割は進行がんだった、という調査がある。
残りの7割は早期がんとなる計算だが、胃を全摘するケースから、内視鏡で胃粘膜を剥がす軽い処置で完治するケースまで、幅広く含まれている。命が助かった後の生活の質も重要だ。新潟市の胃がん検診では、バリウム検査よりも内視鏡の方が、発見率が3倍も高いことが実証された。国立国際医療センター国府台病院名誉院長・上村直実医師は、こう提言する。
「スキルスも含めて、胃がんの主原因はピロリ菌です。血液や呼気検査のみでなく、バリウム検査の画像でもピロリ感染の有無が、容易に判断できます。
人手不足などのため、胃がん検診を全て内視鏡検査にすぐ切り替えるのは難しい。ですから、まず各個人が自身のピロリ感染の有無を把握して、リスクに応じて内視鏡検査を受けるべきでしょう」
※週刊ポスト2018年10月12・19日号