ライフ

運動会の珍事件 スマホでビデオ判定、そばの出前で大騒動

イマドキの運動会の珍光景(イラスト/藤井昌子)

 日本で最初に運動会が開かれたのは明治7(1874)年、海軍兵学寮のイギリス人教師が「アスレチックスポーツをしよう」と提案したのがきっかけだ。そして大正時代には、村人も参加して仮装行列を楽しむ“村のお祭り”としても広まった。しかしそれから100余年。国民行事は、幼稚園や小学校において、炎上必至の珍行事になっていた──。

「プログラムのうち、保護者からの要望で、組体操がまっ先になくなりました。万が一、誰かがけがでもしたら大問題になるからです。でも私が小学校の教諭になって20年以来、運動会の組体操で大けがにつながったことはないんですけどね…」

 そうぼやくのは、静岡市内の小学校に勤務する女性(45才)。学校側は、運動会に向けて神経をすり減らすばかり。

「校長先生の挨拶を聞いている時から、あれ?と思っていたんですよ。マイクの音量が小さくて。でもその後もボリュームは変わらず、かけっこの実況アナウンスは子供たちの声援より小さいし、BGMはもっと極小。ママ友に聞いたら、近隣住民からの猛クレームで、2年前からこの状態なんだとか。学校側は運動会の1か月前から近隣住民にお知らせを投函してるそう。年に1度の子供たちの運動会ぐらいいいじゃない!」(埼玉県・31才・主婦)

◆お騒がせ保護者に私生活優先の教師

 運動会ではまだまだ様々なおかしな出来事が起きている。

「お昼にデリバリーを頼む保護者も結構いて、大量にそばを頼んだ人が運ぶ途中で器を割っちゃって、汁をかぶった保護者との間で大騒ぎになった。大迷惑でした」(東京都・33才・会社員)

「小1の娘の運動会。担任の先生ではなく、代わりの先生が子供たちを率いていて、病気かしらと思ったら『自分の高3の息子の運動会と重なったから、今日はお休み』だって。自分の家族を大事にするのもいいですけど…なんだかねぇ」(山梨県・41才・主婦)

「娘が年少さんで参加した運動会でのこと。私も高齢出産なのですが、保護者の年齢層が幅広い。私の母は70才なんですが、40代でもおばあちゃんという人もいて。10代のパパさんと40代後半のパパさんが一緒に走ってて気の毒でしたね(苦笑)。国籍もアメリカ、ノルウェー、ネパール、フィリピン…と多彩で係の人が大変そうでした」(埼玉県・43才・会社員)

「息子の学校では、だいたいタイムが同じくらいの子同士が走るので、親でもわからないだんご状態でゴール。タイムで見ると遅い子でも1位になりえるし、速くても5位になることも。でもそれは不公平だからって順位は決めないそうなんですが、主人のスマホで撮った動画からビデオ判定。どうも息子が1着だったみたいなので、“みたい”のまま乾杯しました」(愛知県・46才・主婦)

関連キーワード

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト