「小腸に近い右側の大腸は、進行がんになっていても、便潜血法では一定の確率で陰性となります」
消化器内科医の押川勝太郎医師も同様の指摘をする。
「便潜血法で異常なし、という検査結果が出ると安心してしまう人が大半です。しかし、3割以上のがんは、便潜血法に反応しないという研究もあります。だから、異常なしという検査結果は、大腸がんが存在しないということではありません。中には、数年間は大丈夫だろうと勝手に判断してしまい、大腸がんを進行させてしまった人もいます」
確実に大腸がんを早期発見するには、下部内視鏡検査がベストだ。ただし、大腸を空っぽにするまで大量の下剤を飲む必要があるし、検査中も不快感が伴う。
また、下部内視鏡検査はスキルに大きな差があるので、一定の経験を持った医師を選んだほうがいい。
小泉医師によると、大腸がんのリスクが高いのは、飲酒、家族が大腸がんになった人など。これ以外の人は、毎年内視鏡検査を受ける必要はない。大腸がんの進行は、比較的ゆっくりなので、医師と相談してほしい。
※週刊ポスト2018年10月12・19日号