メイプル超合金のカズレーザー(右)
◆歌だけじゃなく小説も「人間愛」に溢れている
年間200冊以上、本を読みますが、さださんの本は、もちろんプロの小説家レベルです。僕は「さだまさしの詩」のファンなので、さださんの小説は、詩の世界を贅沢に楽しめるメディアです。小説の内容は、「人間愛」に溢れています。
いちばん好きな小説は 『眉山』。ひと言で言ってしまうと、「お母さんが死ぬ」という話なのに、最後の最後まで、お母さんの死を描写しない。これぞハートウォーミングの極致っていう表現で、悲劇なのに心が温まる。きっと「やさしさ」で溢れているからです。
ネタバレするので詳細は伏せますが、ラストシーンのお母さんの毅然とした態度、動揺するシチュエーションなのに表情を崩さない強さ。こういうキャラクターを生み出すさださんはすごいと思います。
ヘンな言い方かもしれませんけど、それこそ、手を替え品を替え(笑)、いろいろな表現やいろいろな方法で、さださんは「人間愛」というメッセージを伝えようとしていると思うんです。
僕たちは今、「さだまさしのいた時代」を生きている世代なんです。生まれた時にはすでにさださんがいた。こんな幸せ、ないと思うんですよ。「早起きしたら気持ちいい」とか、「焼きたてのトーストがおいしい」とか、そういうのと同じレベルの当たり前の幸せとして、僕はさださんを受け止めています。
さださん本人に初めてお会いしたのは、『生さだ』の時です。そのあと、関ジャニ∞さんの番組でもご一緒したんですが、企画のひとつとして、さださんが即興で歌を作ったんです。これがカッコイイ!
さださん、音楽に集中している時は、キリッとして超男前になるんですね。で、そのままキリッとしておけばいいと思うんですけど、歌を作り終わったら、急にボケてくる。しゃべり倒す。……あれ、我慢できないのかなあ(笑)。
そうそう、『生さだ』の時のことも思い出しました。僕と一緒に、ももクロも出ていたんですけど、さださん、ももクロと絡む時に、どうしようもないほどデレデレするんです。そこまでデレデレするかっ、というくらい。さださん、かわいいコにだけデレデレしすぎじゃないですか? あれ、威厳なくしますよ(笑)。
※さだまさしとゆかいな仲間たち・著/『うらさだ』より