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93才の料理研究家が伝授「汁あり肉じゃが」の作り方

ばぁばこと鈴木登紀子さんが作る汁あり肉じゃが(撮影/近藤篤)

 NHK Eテレ『きょうの料理』への出演でもおなじみの“ばぁば”こと日本料理研究家・鈴木登紀子さん(93才)が、“これだけは遺していきたい”という日本料理の“手仕事”を紹介する。

 * * *
 日本料理は“旬”を大切にする「時季のお料理」です。四季ごとの山海の恵みを食べていれば医者いらず…というのが、私の母・お千代さんの口ぐせでした。

 春には体がしゃきっとする芽吹きのもの、夏には体熱を冷まして水分たっぷりのものを。お味や香りがよいのはもちろんですが、旬の食材は、その季節の体が必要とする栄養がちゃんと含まれているのです。

 そうとは言いましても、秋はきのこの季節だからとしいたけやしめじばかり食べるわけにもいきません。そこで、いつでも手に入る食材や干ものを使った煮ものなど、季節を問わないお料理も必要なのです。

 肉じゃがは、そんな“時季知らず”おかずの代表格。ほっとする甘さがなんとも嬉しい、今も昔も“おふくろの味”の筆頭です。疲れて帰宅したご家族の心身を温める一品ですね。

■肉じゃがの最大の手仕事は丁寧なアク引きにあり!

 ばぁばの肉じゃがには2通りあります。

 1つは、煮汁がなくなるまで煮詰め、ほくほくと濃厚な味わいが楽しめる「汁なし肉じゃが」、そしてもう1つは、牛肉のうまみがじゃがいもにしみたやさしい味わいの「汁あり肉じゃが」です。

 どちらもおいしいのですが、「汁あり」の方が失敗しにくいですし、温め直しもできますからおすすめです。ちょっと多めに作っておかれるとよろしいの。煮ものは冷めながらお味がしみますからね、翌日には卵とじになさると、しみじみとおいしいですよ。

 肉じゃがは支度そのものはほとんど手がかかりませんけれども、アクはしっかりと引いてくださいね。

 また、火が弱いとじゃがいもが割れやすくなりますから、最初は強火、煮立ったら中火に落としてそのまま煮ることが肝要です。

 ただそのぶん、アクもふんだんに出ます。お水をボウルに用意して、丁寧にすくい取ること。肉じゃがの出来はここで決まると言っても過言ではありません。くれぐれも、腹黒い肉じゃがになさいませぬよう。

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