ベトナムは2017年の成長率が6.8%と、東南アジアではフィリピンと並んで高い水準を維持しているが、1人当たりのGDPは約2400ドル。いくら経済発展著しいとはいえ、百数十万円という大金を用意するのは簡単ではないはずだ。
私が偶然にも裕福な家庭で育った留学生に当たっただけかもしれないが、初対面の上、学習中の日本語能力でそこまで複雑な「懐事情」を説明できなかった可能性もあるだろう。
だが、取材を進めると、あるベトナム人女性(21)がこんな実情を明かしてくれた。彼女は日本語学校を卒業後、現在は都内の大学に通っている。
「留学生のほとんどが銀行などで借金して日本に来ています。バイトばかりで、運送会社で朝まで働いて学校に来なくなる学生もいます。みんな毎月、返済のためにベトナムに数万円を送金しています」
留学生に認められた就労時間は週28時間以内だが、これをオーバーする学生も少なくないという。
「28時間は短すぎます。留学生は大変。仕事ばかりで寝る時間もなく、健康にもよくありません」
◆震災後に増加