外国の脅威に直面する「国境の島々」

◆「観光」と「国防」のせめぎ合い

【西古見】2016年に中止された芦徳の「大型クルーズ船寄港地開発」と似た計画が、瀬戸内町に場所を変えて動き出した。17年に国交省が候補地に挙げた瀬戸内町が、西古見集落の池堂地区に誘致することを決定。22万tクラスの大型船の寄港を想定しており、開発による環境破壊に加え、「国防の要衝」に外国人観光客が押し寄せることへの懸念が強い。

◆自衛隊施設の監視が目的?

【戸口】防衛拠点である喜界島が一望できる町有地6937平方メートルを、香港資本の総合商社会長を務める香港在住の日本人男性A氏が2016年9月に取得。周辺では同じくA氏が3か所計1万2362平方メートルを14年7月までに購入。2017年9月には別の3か所計1万1471平方メートルが奄美市内の会社から東京の会社に転売された。奄美への自衛隊配備強化が表面化して以降、目的不明の土地取引が活発化している。

◆喜界島通信所(防衛省情報本部)

 防衛省情報本部が全国6か所で運用する通信所の一つ。360度全方位から受信可能な電波傍受用アンテナを備える、国防上の重要施設。

◆奄美大島分屯基地(空自)

 航空自衛隊那覇基地の分屯基地。南西方面の警戒監視に必要な無線中継などを担う。

◆奄美駐屯地 (陸自)

 陸上自衛隊員約350人が配置される。警備部隊のほか、中距離地対空ミサイル(中SAM)部隊を併設予定。2018年度末の配備に向け、飛行場や弾薬庫などの整備が進む。

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