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おいしいごはんの炊き方、東京の水道水は軟水でふさわしい

攪拌は、ご飯がつぶれないよう十字に切り込みを入れる(撮影/下重修)

 おいしいご飯をいただくには、米にこだわるだけでなく、いかに炊くかが重要。もっちり食感を引き出す浸水法や計量、洗米の正しい方法など、あらゆる米をグレードアップさせる炊き方をご紹介する。

【教えてくれた人】
片山真一さん/100年以上続く老舗米店『隅田屋商店』店主。五ツ星お米マイスターとして活躍し、米に関する知識を伝えている。

 米の炊き方は親から子へと伝わるものだったが、時代とともに米も炊飯器も目覚ましく進化しているため、炊き方を刷新する必要があるという。そうすれば、よりおいしいご飯が炊ける。

「大切なのは炊飯する前後の作業です。少し硬めに炊くとよくかむことで甘みが味わえます。そのため、水は少なめで炊くのがコツ。水は軟水がベストですが、実は東京の水道水は軟水でとても炊飯にふさわしいのです。

 炊飯直後のアツアツのご飯もおいしいのですが、ほぐして70℃ほどに冷ますと、ご飯粒の中に水分が閉じ込められてもちもちになります」(片山さん)

 高価な炊飯器でなくても、米の銘柄を気にしなくても、今回紹介する炊き方を実践すれば、誰でもふっくらもちもちのご飯を味わうことができる。

■おいしいお米の炊き方

【1】計量
・軽く入れてすりきり、正確に量る
 1カップ180mlの炊飯専用の計量カップを使って計量。米はふんわりと山盛りにすくい、指やスプーンの柄などですりきる。この時、カップの底をトントンして米が詰まると、規定の量より多くなってしまうのでNG。また、つぎ足したりギュッと押し込んだりするのも避けて。

【2】洗米
・最初の水はすぐに捨てる
 ざるを使うと米が傷ついてしまうため、ボウルか内釜で洗う。米は水に触れた瞬間に最も吸水するが、最初の水はぬかが流れ出ているため、スーッと2~3周回したらすぐに捨てるのがポイント。洗米には泡だて器を使ってまぜてもよい。

・10回かき回すを3セット
 精米技術が進んだことから、昭和40年頃以降、米業界では米は「洗う」といい「とぐ」は使わない。米粒が割れるのを防ぐため、優しくまぜるイメージ。米の3~5倍の量の水を入れ、指を立てて10回ほどかき回す。水の濁度が牛乳の半分くらいになる3セットが目安。洗米では水を米粒が吸わないよう、スピーディーに進めること。

【3】浸水
・水を吸ってふっくらもちもちに
 浸水させると米一粒一粒に水が行き渡り、ムラなくふっくらと炊き上がる。炊飯器によっては浸水機能があるタイプもあるが、同様に浸水させてから早炊きすると、もちもちの食感に。浸水時間は120分が理想だが、家庭では30~60分で充分。

 洗米した後の米粒は透明だが、浸水によって水を吸うと白濁する。白濁すればもう芯まで浸水した証。炊飯OKのサインと考えて。

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