〈最初のうちは、使っていない筋肉が多かったらしく、ストレッチだけで「痛い!」と絶叫していました〉(同書より)
その際、本人の気力に加え、家族の支えが重要になる。NPO法人「日本脳卒中者友の会」理事長の石川敏一氏は、自らも脳卒中を患いながら脳梗塞の妻を自宅でサポートした。
「脳梗塞患者は、入院した病院で一定期間のリハビリを受けますが、回復のためには、退院してからもリハビリを続けなくてはなりません。“リハビリは自宅に戻ってからが本番”という言葉があります。何もしないと寝たきりになりますし、患者ひとりでは覚束ない入浴や散歩、排泄などの生活面で、家族のサポートが欠かせません。私の妻の場合は、『嚥下障害』が残って飲み込みができなくなったので、とろみをつけた流動食を用意していました。再発を繰り返すうちに脳梗塞の障害が重くなり、家族の支えがより必要となります」
秀樹さんも、美紀さんと3人の子供に支えられていた。美紀さんがいう。
「秀樹さんは歌うことが自分の使命と信じ、ファンの方々の声援やスタッフの力添えがあったおかげでモチベーションを保ち、過酷な闘病でも心が折れず走りぬくことができました。感謝しております」
※週刊ポスト2018年11月30日号