芸能

吉川晃司&岡田将生で注目 「白髪」がもたらす効果とは?

白髪で注目の吉川晃司

 ドラマでは、役者の演技だけではなく、その髪の色に注目が集まることもあるようだ。今期のドラマで脚光を浴びるふたりの“白髪俳優”の注目ポイントと“白髪”の効果について、コラムニストのペリー荻野さんが綴る。

 * * *
 今シーズンのドラマでは、ふたりの「白髪」が輝いている。ひとりは『昭和元禄落語心中』(NHK)の岡田将生。昭和の噺家・八雲を演じているが、その端正な姿と本格的な語りの技は、落語ファンをうならせている。

 このドラマでは、若いころから、晩年、名人と言われるころまで幅広く描かれるため、岡田は新人時代(髪はふさふさで真っ黒)から、白髪の老人姿に。二枚目は「老け」を作り込まずに老人役をすることも多いが、岡田将生は29歳の若さで堂々の老け姿。渋くキメた分、イケメンぶりが強調された気もする。

 もうひとりはご存知、『下町ロケット』(TBS系)の財前部長こと吉川晃司。かつて主人公・佃(阿部寛)が営む小さなメーカーの技術を高く評価し、守ってくれた財前は、今期の「ヤタガラス編」では無人トラクターの開発に取り組み、自分が所属する大企業「帝国重工」と下請け企業との間にはさまれて苦しい立場に。それでも「日本の農業を救うため、なんとかお願いできないでしょうか」と佃に頭を下げる。

 その頭髪は見事な白髪。銀色に輝いて見える。カッコいいのである。そういえば、財前は佃に誘われて稲刈りに言った時にも、スーツ姿だった。いつでもどこでもジェントルメン。白髪の紳士である。

『モニカ』時代、マイクを振り回し、ついでに長い足も振り回していた(※ペリー個人のイメージです)吉川晃司を知る世代から見ると、すっかり落ち着いた様子にしみじみとしたものを感じる。財前の白髪には、「暴れ吉川記憶世代」を惹きつける意図もあったはずだ。

 昔から、「ロマンスグレー」という言葉があり、ナイスな白髪まじりヘアスタイルの男性は称えられてきた。私がお会いした中で、これぞまさにロマンスグレーな人だと思ったのは、故・児玉清さんである。ここで重要なのは、ただの「グレー」ではなく、「ロマンス」がついていること。「ロマンス」って、いったいどうやって出すんでしょうか?

『下町ロケット』では、財前に圧力をかける帝国重工次期社長候補・的場(神田正輝)も佃らを「下請けが」と見下して嫌な顔を見せる的場派の奥沢(福澤朗)も、帝国重工を恨み、先んじて無人トラクターを実用化した佃のライバル企業社長の重田(古館伊知郎)も、白髪率は1割程度。佃らが開発競争の中でどう生き残っていくのかも大事だが、帝国重工周辺に限ってみれば、白髪財前VS黒髪男たちの対立の構図もポイントだ。オセロか。

 キャラの強さとわかりやすさは、「日曜劇場」企業ドラマの鉄則。財前が白髪でなかったら、これほどわかりやすくはならなかった。

 これだけ白髪紳士の印象が強くなると、吉川としても今後、黒髪に染めたりしては違和感を持たれるだろう。こうなったら、白髪を続け、そこに「ロマンス」が加わり、ロマンスグレーを超えるロマンス白髪になったらいい。人生百年時代といわれる日本では、ロマンス白髪俳優が主役になるドラマももっと増えるはずだ。

関連記事

トピックス

衝撃を与えた日本テレビ系列局元幹部の寄付金着服(時事通信フォト)
《24時間テレビ寄付金着服男の公判》「小遣いは月に6〜10万円」夫を庇った“妻の言い分”「発覚後、夫は一睡もできないパニックに…」
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO
《国民に愛された『TOKIO』解散》現場騒然の「山口達也ブチギレ事件」、長瀬智也「ヤラセだらけの世界」意味深投稿が示唆する“メンバーの本当の関係”
NEWSポストセブン
漫画家の小林よしのり氏
小林よしのり氏、皇位継承問題に提言「皇室存続のためにはただちに皇室典範を改正し、愛子皇太子殿下の誕生を実現しなければならない」
週刊ポスト
教員ら10名ほどが集まって結成された”盗撮愛好家グループ”とは──(写真左:時事通信フォト)
〈機会があってうらやましいです〉教師約10人参加の“児童盗撮愛好家グループ”の“鬼畜なやりとり”、教育委員会は「(容疑者は)普通の先生」「こういった類いの不祥事は事前に認知が難しい」
NEWSポストセブン
警視庁を出る鈴木善貴容疑者=23日午前9時54分(右・Instagramより)
「はいオワター まじオワター」「給料全滅」 フジテレビ鈴木容疑者オンカジ賭博で逮捕、SNSで1000万円超の“借金地獄”を吐露《阿鼻叫喚の“裏アカ”投稿内容》
NEWSポストセブン
解散を発表したTOKIO(HPより)
「TOKIOを舐めるんじゃない!」電撃解散きっかけの国分太一が「どうしても許せなかった」プロとしての“プライド” ミスしたスタッフにもフォロー
NEWSポストセブン
大手芸能事務所の「研音」に移籍した宮野真守
《異例の”VIP待遇”》「マネージャー3名体制」「専用の送迎車」期待を背負い好スタート、新天地の宮野真守は“イケボ売り”から“ビジュアル推し”にシフトか
NEWSポストセブン
「最近、嬉しかったのが女性のファンの方が増えたことです」
渡邊渚さんが明かす初写真集『水平線』海外ロケの舞台裏「タイトルはこれからの未来への希望を込めてつけました」
NEWSポストセブン
4月12日の夜・広島県府中町の水分峡森林公園で殺害された里見誠さん(Xより)
《未成年強盗殺人》殺害された “ポルシェ愛好家の52歳エリート証券マン”と“出頭した18歳女”の接点とは「(事件)当日まで都内にいた」「“重要な約束”があったとしか思えない」
NEWSポストセブン
「父としての自覚」が芽生え始めた小室さん
「よろしかったらお名刺を…!」“1億円新居”ローン返済中の小室圭さん、晩餐会で精力的に振る舞った理由【眞子さんに見せるパパの背中】
NEWSポストセブン
多忙なスケジュールのブラジル公式訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《体育会系の佳子さま》体調優れず予定取り止めも…ブラジル過酷日程を完遂した体力づくり「小中高とフィギュアスケート」「赤坂御用地でジョギング」
NEWSポストセブン
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン