例えば海外に行くとわかりあえないのが前提だから意外とわかりあえたりして、人と人は完全にはわかりあえないからこそ、わかろうとする努力が大事だと思う。SNSでもわからないことをわかろうともしないままわかった風に言う人が多いし、貧困問題より何より、それが一番の社会問題だという気が私はするんです」
神とは、単に一夜を買う客ではなく、本人の人生をも拓きうる希望のこと……。お手軽だけに実体を隠しやすい言葉の禍々しさを暴き、一つ一つ更新することも、読者の「わかる」に個人的に訴える小説の仕事かもしれない。
【プロフィール】はたの・ともみ/1979年東京生まれ。東京女学館短期大学国際文化学科卒。10年以上のアルバイト生活を経て、2010年『国道沿いのファミレス』で第23回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。他に『南部芸能事務所』シリーズや『海の見える街』『感情8号線』『消えない月』等。165cm、52kg、B型。「未だに男性には女子の体重40kg信仰みたいなのがあって、そんな体型あり得ない、人間は50kgあっていいんですって言うために、私は体重を公開してます(笑い)」。
■構成/橋本紀子 ■撮影/国府田利光
※週刊ポスト2018年12月7日号