松井府知事も、9月9日の記者会見で、「夢洲は関空より地盤が高いので大丈夫」と自信を見せている。しかし、地震学者で武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏はこう指摘する。
「大阪湾沿岸で標高の低いところの高波のリスクは過小評価されがちです。今年9月に列島を襲った台風21号の時も、大丈夫だったはずの関西空港では、“50年に1度”の想定を上回る高波によって、地下室への浸水が起きています。地盤も液状化しないとは限りません。夢洲のもともとの地盤は脆弱なので、一番上の薄皮だけ丈夫にしても下から崩れる可能性は多分にある」
M9クラスの巨大地震が起きれば、甚大な被害が出るのは夢洲だけではなく、大阪の他の地域にも及ぶ。“1970年の夢よ再び”という思いだけでなく、そこにあるリスクへの対応も必要だ。
※週刊ポスト2018年12月14日号