国内

大阪万博が抱える「2年以内に南海トラフ地震」の重大リスク

喜んでばかりもいられない(時事通信フォト)

 2025年の大阪万博開催が決まり、地元が歓喜に沸く裏で、“重大な懸念”が持ち上がっている。災害予測を研究する立命館大学教授の高橋学氏がこう語る。

「南海トラフ地震の発生が近づいています。南海トラフはフィリピン海プレートがユーラシアプレートに沈み込んでできた海溝ですが、ユーラシアプレートが押されると、大地震の前に、内陸の直下型地震が増えます。

 西日本では2016年の熊本地震、鳥取県中部地震、今年の島根県西部地震、大阪府北部地震などが起きており、火山活動も活発化しています。今年、政府は30年以内に80%の確率で南海トラフ地震が起きるとしていますが、前兆が出ているので、あと2年以内には起きるリスクが大きいと考えています。発生すれば万博どころではなくなってしまう可能性がある」

 南海トラフとは、四国の南から駿河湾まで続く海溝で、100~200年の周期で巨大地震を発生させる。

 大阪府では、将来、M9.1の南海トラフ地震が発生した場合、大阪市内の震度は最大6強、全壊建物は33万7000棟、死者数は最大7700人と想定。最大で約5メートルの津波が押し寄せると想定している。このとき、万博会場の夢洲(ゆめしま)はどうなるのか。大阪府万博誘致推進室に聞いた。

「夢洲の地盤は、想定されている津波の高さ3.2メートルより5メートル以上高いので、影響はないだろうと考えています。また、夢洲の埋め立てに使われた土は粘性度の高い浚渫土なので、液状化もしにくいと考えています」

関連キーワード

関連記事

トピックス

高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
トランプ米大統領によるベネズエラ攻撃はいよいよ危険水域に突入している(時事通信フォト、中央・右はEPA=時事)
《米vs中ロで戦争前夜の危険水域…》トランプ大統領が地上攻撃に言及した「ベネズエラ戦争」が“世界の火薬庫”に 日本では報じられないヤバすぎる「カリブ海の緊迫」
週刊ポスト
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
新大関の安青錦(写真/共同通信社)
《里帰りは叶わぬまま》新大関・安青錦、母国ウクライナへの複雑な思い 3才上の兄は今なお戦禍での生活、国際電話での優勝報告に、ドイツで暮らす両親は涙 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン