「今上天皇は朝食は7時、昼食は12時、夕食は19時に規則正しく召し上がっているようです。ご朝食は元日を除いて洋食を、ご昼食とご夕食はそれぞれ和食から洋食、洋食から和食と、毎日入れ替えていました」

 秋津医院院長の秋津壽男医師(総合内科医)が指摘する。

「食事はこのように1日3回、5~7時間の均等な間隔を空けるのが理想的です。食べ物をきちんと消化し、脂肪を燃焼させるまでには、およそ3~5時間程度かかるといわれています。短すぎると血糖値の上昇などの悪影響が生じる恐れがある」

 また、昭和天皇の時代に侍医の指示で「1日1800キロカロリー以下」「塩分は10グラム以下」などの“制限”が設けられ、今上天皇にも同様の配慮が引き継がれているという。

「私は聖上(おかみ=大膳課職員の天皇の呼び方。ここでは昭和天皇のこと)が日常召し上がるお食事から、園遊会や宮中晩餐会の洋食部門を担当しました。食生活から健康を意識する『食養学』が徹底されているのは、今上陛下の時代になっても変わらないと聞いています。

 塩分やカロリーについては、以前ほど厳格な制限ではないようですが、大膳課の職員が考えて献立を立てるため、必然的に抑えられていると思います」(工藤氏)

 ただし、天皇が御所を離れる、海外訪問や地方への行幸啓の際は事情が異なる。工藤氏が続ける。

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