ビジネス

日産の好業績を支えたのはゴーン前会長の経営手腕ではない

大前氏は予言していた

 自力で再建できなくなった1990年代後半の日産自動車が、回復できたのはカルロス・ゴーン日産自動車前会長の手腕だったのか? ゴーン前会長が逮捕されて以来、日産復活への貢献度についての議論が巻き起こっている。2年前、すでに彼の強欲な経営姿勢について指摘していた経営コンサルタントの大前研一氏が、日産復活の経緯について解説する。

 * * *
 日産自動車のカルロス・ゴーン前会長が有価証券報告書に役員報酬を過少記載した金融証券取引法違反の疑いで逮捕された事件は、日産の役員構成とルノー・日産・三菱自動車のアライアンス(出資比率や提携内容)がどうなるか、東京地検特捜部が容疑を立件できるかどうか、ということが今後の焦点となる。

 手前味噌だが、今回の事件では私の過去記事の予想が当たったと、ネットなどで大いに話題になった。

 私は今年5月の時点で、日産・ルノーの経営統合をめぐるフランス政府とゴーン氏の不穏な動きに警鐘を鳴らした。さらに、2年前にゴーン氏がルノーと日産に加え三菱の会長に就任して「3足のわらじ」を履いた際も、同業種の上場企業である日産と三菱のCEOや会長を兼務すると「利益相反」を生む可能性があるので看過されるべきではないと指摘し、ゴーン氏の報酬に対する貪欲な姿勢についても批判した。

 さすがに、今回明らかになった退任後の巨額報酬や会社資金の不正な私的流用などまでは予想していなかったが、企業のガバナンスとコンプライアンスの観点から見ると、そうしたゴーン氏の“強欲”な経営姿勢が許されないことは自明だったのである。

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン