国内

日本「遺憾砲」と北朝鮮「無慈悲な鉄槌」ネットでの扱われ方

日仏の外交問題は遺憾砲で解決…しない(AFP=時事)

 日本政府による意見表明でよく使われる「遺憾の意を表する」という言葉がある。「遺憾」は外交の場面で使われることが多いが、頻発されるわりに意図が伝わっているのか怪しい表現でもある。朝鮮中央テレビのアナウンサーが独特の抑揚で発表する「無慈悲な鉄槌」と並び、読み取りが難しい「遺憾」の意味とネットでの扱われ方について、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が考察した。

 * * *
 カルロス・ゴーン氏の会長退任を受け、日産とルノーの間の主導権争いがルノーの株主でもあるフランス政府も巻き込み大ごとになりつつある。マクロン仏大統領もG20会合で安倍晋三首相と当件を15分間喋ったという。

 これに先立つ報道でネットが若干ざわめいた。それは時事通信が報じた〈ある仏政府顧問は(中略)「権力闘争になればわれわれは大砲を持ち出し、ルノーに対して日産株の出資比率を上げるよう要請する用意がある」と言及〉という部分だ。

「大砲を打てるものなら打ってみろ」という意見は当然あるが、「いつもの遺憾砲で迎撃態勢整えとけ」や「あ?遺憾砲すっぞコラ」という書き込みもあった。実は「砲」はネットではお笑い用語の一つで、「遺憾砲」とは、外交上難癖をつけられた場合や、トラブルが発生した際に日本の政治家が発する「遺憾の意」を意味する。

 ネット上の百科事典である「ニコニコ大百科」は皮肉まじりの解説が多いが、「我が国が保有するミサイル兵器」と紹介されている。相手が攻撃したことに対する防衛策として「遺憾の意」という言葉が存在しているという意味だが、基本的には、怒っているにもかかわらず「遺憾である」を繰り返す日本の弱腰外交を揶揄する言葉である。

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン