芸能

紀平梨花にあってザギトワにはない「防衛的悲観主義」

13年ぶりの快挙をなし遂げた紀平梨花選手

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になった著名人やトピックスをピックアップ。記者会見などでの表情や仕草から、その人物の深層心理を推察する「今週の顔」。今回は、フィギュアスケート・グランプリ(GP)ファイナルで初優勝した紀平梨花選手を分析。

 * * *
 グランプリファイナル制覇という快挙を達成して帰国したフィギュアスケートの紀平梨花選手。シニアデビュー1年目での初優勝は、浅田真央さん以来13年ぶりだという。

 見ているこちらは、紀平梨花という選手が彗星のごとく表舞台に現れたという印象なのだが、実はジュニア時代から平昌五輪の金メダリスト、ロシアのアリーナ・ザギトワ選手と競い合っていたというのだから、すでに実力者なのだ。

 そんな2人は今回の表彰式で、対照的な姿を見せた。記念撮影こそ並んで笑顔を見せていた2人。だがその後、表彰台に残り、カメラに笑顔を見せる紀平選手を背にしたザギトワ選手が、唇をきつく噛みしめている写真が報じられた。彼女の悔しさがストレートに表れている。

 GPシリーズで連勝していたザギトワ選手だが、ファイナルでは精彩に欠けた。五輪の時のような軽やかさや伸びやかさがない。技術的なことはわからないが、ジャンプの後の流れも悪く、どこか詰まった感じがしてしまう。反対に紀平選手は、ジャンプしてもしなやかに軽やかに伸びやかに、それでいてしっかりと氷の上を舞っていた。

 その結果、紀平選手はショートプログラムで今季世界最高得点を出した。試合後の会見で、紀平選手について聞かれたザギトワ選手はその瞬間、思わず唇を噛んでいた。負けん気の強さからだろう。そして着ていたジャージの襟元を直すように触ったのだ。人は、不安や不快、ストレスを感じると、自分の気持ちを落ち着かせ、なだめるために、無意識のうちに顔や手足を触ったりこすったりという仕草をしやすい。中でも首を触るのは、不快感やストレスが強い時だといわれる。それほど、紀平選手のショートプログラムの結果がショックだったのだろう。

 繰り返される質問には、「その質問には答えなくていいですか」と単調な話し方で回答を拒否。その後も唇を噛んだり、強張った表情のまま頬を指でこすったりと、うまく自分の気持ちや感情と折り合いがつけることができないようだった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン