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2018.12.20 16:00  週刊ポスト

日産がルノーとの交渉に勝つための秘策を大前研一氏が明かす

 では今後、日産はどうすればよいのか?

 もし私が日産側に立って交渉するなら、まずフランスのエマニュエル・マクロン大統領とゴーン氏の“密約”について追及する。ルノーの人事権を持っているフランス政府は、今年で切れるはずだったゴーン氏のルノーCEOの任期を2022年まで4年も延長したが、その裏には「任期中にルノーと日産を経営統合する」という密約があったと私は推察している。そこで、ルノー株を15%保有している日産にはルノーに対する情報開示請求権があるから、それを使ってゴーン氏の任期を延長した理由を開示しろ、と要求するのだ。

 さらに、大株主としてゴーン氏を日産に送り込んでいたルノーの「任命・監督責任」についても追及する。今回明らかになったところでは、ゴーン氏は日産との間で退任後に役員報酬を受け取るという文書を交わしていた以外にも、高級住宅購入や、業務実態のない姉に対する年10万ドル前後の支出、娘が通う海外の大学への寄付、ベルサイユ宮殿での結婚式費用などの資金提供といった背任行為が続々と報じられている。ルノーは日産の帳簿閲覧権も持っているのだから、フランス政府とルノーはゴーン氏のこれらの不正疑惑についても責任があると思わないのか、と詰め寄るのだ。

 さらに、ゴーン氏がルノー社内でも同様の行為をやっていたのか、やっていなかったのか、ルノーに厳正な調査を要求する。もしやっていたら、フランス国内でも当然その疑惑を追及すべきだし、逆にルノーではやっていなかったら、ゴーン氏は日産だけを「私物化」し、食い物にしていたことになる。そのような経営者をフェアだと思うか、そういう人物を送り込み、監督もしてこなかった責任をどう考えるのか、それでも両社のアライアンスが健全だったと言えるのか、と問い質せばよい。

 疑惑はまだある。ルノー・日産連合の業績推移を見ると、ルノーはフランス工場やブラジル工場で生産している日産車の仕切り価格を操作して利益移転をしている疑いが極めて強い。専門家の調査などによって、その状況証拠を突きつけながら、利益移転の見直しを求めないといけない。

※週刊ポスト2019年1月1・4日号

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