国内

平成のベストセラー 『遺書』『セカチュー』『電車男』など

平成の30年間に売れた本は?(写真/アフロ)

 平成という時代はどんな本が売れた時代だったのだろう? 小説であれ、漫画であれ、「どのジャンルも昔に比べ、内容を深く掘り下げているものが人気を博している」とテレビ解説者でコラムニストの木村隆志さんは分析する。

 ニッポンの漫画がアジアやヨーロッパなど世界各国へ浸透したのも平成だ。

 ベストセラーは確実に、時代を動かす力を持っている。平成30年間で、注目を集め、人や歴史を動かした作品について、マーケティングコンサルタントの西川りゅうじんさん、トレンドウォッチャーのくどうみやこさん、木村さんが年代順に解説する。

 1991年『Santa Fe』(宮沢りえ 撮影・篠山紀信 朝日出版社)「宮沢りえ人気のピークに出版。落ちぶれた女優がお金のために脱ぐものから、“美しい時を残す”ものへと写真集のイメージを変えた」(西川)。

 1992年『たけし・逸見の平成教育委員会』(フジテレビ出版)
「この頃から、小説や漫画のドラマ化など、異種メディアがタッグを組む“メディアミックス”が一般化。これらの本は、その先駆けです」(西川)

 1995年『遺書』(松本人志著 朝日新聞社)、2007年『ホームレス中学生』(田村裕著 ワニブックス)、2015年『火花』(又吉直樹著 文藝春秋)「面白い芸人のトークは文字でも面白い。『遺書』を機に、多くの芸人が本を出すようになり、小説も多く出版」(木村)

 2003年『世界の中心で、愛をさけぶ』(片山恭一著 小学館)「表紙のオビに書かれていた“泣きながら一気に読みました”という柴咲コウの言葉が秀逸。だったら読んでみようという人が続出」(木村)。

 2005年『電車男』(中野独人著 新潮社)「『2ちゃんねる』の内容を単行本化した作品。ネットの掲示板が“便所の掃きだめ”といわれていた時代。掃きだめに純愛が潜んでいたことで盛り上がり、オタクが市民権を得ました」(木村)。

 2011年『人生がときめく片づけの魔法』(近藤麻理恵著 サンマーク出版)「震災の年に出版。物を必要以上に保有しない、シンプルに生きよという内容が、震災後の価値観と一致していた」(くどう)。

 2017年『九十歳。何がめでたい』(佐藤愛子著 小学館)
「人生100年時代に突入。長生きはうれしい半面、誰もが将来への不安を抱えています。そんなモヤモヤを吹き飛ばす力がある本」(くどう)。

※女性セブン2019年1月3・10日号

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン