一方の中日は、これは偏に私の経験のなさが原因ですが、正直言って巨人に比べれば「これは130分の1ではない特別な試合なのだ」という認識に欠けていたと思います。若い選手を使って足を絡める、シーズン中通りの野球をしようと思いましたが、球場は異様な空気に包まれており、若い選手たちは緊張のあまりいつもの野球ができませんでした。結局、3対6で中日は敗れました。
試合後、私は契約通り辞めるつもりでした。ですが選手たちが「もう1年やりましょうよ」と言ってくれた。それに球団からも後半戦の好成績が評価され、翌年も続投になったんです。私も野球が好きだから、もう1年やろうとユニフォームを着ました。でも結果は成績不振で、翌年6月に途中解任。あの時でスパッと辞めておいたら、もう少し格好よかったかなあ、と反省しています(笑い)。
※週刊ポスト2019年2月1日号