国内

大坂なおみに日本語での回答を要求するメディアの魂胆

マスコミは「日本語」を求めてばかりだが…(時事通信フォト)

 世界ランキング1位となったプロテニス選手の大坂なおみにまつわる報道が、ネットで反感を買っている。慣れない日本語をわざと喋らせて、テニスそのものより「ナオミ節」を強調したメディアの報じ方が嫌われている。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、大坂なおみをめぐるメディアの姿勢について考えた。

 * * *
 ネットでは「マスゴミ」という言葉がよく使われるが、テニスプレイヤー・大坂なおみをめぐっては特に頻出する。大坂が全豪オープンで優勝し、世界ランク1位が確定した翌日のスポーツ報知電子版に、〈大坂なおみ、「日本語で答えて欲しい」との質問に「英語で言わせていただきます」〉という記事が出た。記者が「今の気持ちを日本語で」と聞き、これに大坂は日本語で答えたが、試合がいかに大変だったかを日本語で話すよう言われると「英語で言わせていただきます」と言い、その後は英語で喋ったという。

 これに対しては「マスゴミ」批判的書き込みが相次いだ。「もうこれマスコミによるハラスメントだな」「大坂を苦しめるなクソマスゴミ」などだ。そして、この2つが真理を突いているかもしれない。

「マスゴミはサンコンさんレベルで微笑ましいと思ってるんだろ」
「要はテレビ映えのするたどたどしいナオミ節を撮ろうという魂胆が見え見え」

 昨年9月、全米オープン優勝後に来日した際は、テニスの話題とは関係のない「日本で何をしたいか」と質問し「原宿に行きたい」「ジェットコースターにも乗りたい」と喋らせ、サンスポの記事では「無邪気に答えた」と表現した。

 メディアの大坂への扱いの要点は以下3つだろう。

【1】「世界で活躍する日本人」を出し、自らも誇りに思いたい。
【2】語彙が少なく、きちんとした敬語ではない日本語を喋らせ「かわいらしいですね」とスタジオで言い合いたい。
【3】日本で行きたい場所や食べたいものを聞き、「日本をあまり知らない子のほのぼのとした様子」を見て歪んだ優越感を抱きたい。

関連記事

トピックス

あとは「ワールドシリーズMVP」(写真/EPA=時事)
大谷翔平、残された唯一の勲章「WシリーズMVP」に立ちはだかるブルージェイズの主砲ゲレーロJr. シュナイダー監督の「申告敬遠」も“意外な難敵”に
週刊ポスト
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左/バトル・ニュース提供、右/時事通信フォト)
《激しい損傷》「50メートルくらい遺体を引きずって……」岩手県北上市・温泉旅館の従業員がクマ被害で死亡、猟友会が語る“緊迫の現場”
NEWSポストセブン
財務官僚出身の積極財政派として知られる片山さつき氏(時事通信フォト)
《増税派のラスボスを外し…》積極財政を掲げる高市早苗首相が財務省へ放った「三本の矢」 財務大臣として送り込まれた片山さつき氏は“刺客”
週刊ポスト
WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
ツキノワグマは「人間を恐がる」と言われてきたが……(写真提供/イメージマート)
《全国で被害多発》”臆病だった”ツキノワグマが変わった 出没する地域の住民「こっちを食いたそうにみてたな、獲物って目で見んだ」
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 維新まで取り込む財務省の巧妙な「高市潰し」ほか
NEWSポストセブン