ライフ

三浦雄一郎が紹介するエベレストで読み不思議な力が湧いてきた書

プロスキーヤーの三浦雄一郎氏(写真:藤岡雅樹)

 それぞれのジャンルをリードしてきた著名人たちはどんな本を読んできたのか? プロスキーヤーの三浦雄一郎氏が、「我が人生の書棚」について語る。

 * * *
 中学受験に失敗し、1年間浪人生活を送っている間、やることがなかったものですから、いろいろな本を読み始めました。最初に夢中になったのは吉川英治さんの『宮本武蔵』です。その後、世界の偉人伝をたくさん読み、ずいぶん勇気づけられましたね。以来、本が好きになりました。

 世界の山に遠征に行くときも、数十冊の本を持っていきます。悪天候が続いて2、3日動けないようなときは、テントの中で本を読むに限りますから。持っていくのは山と関係ない本の方が多いですね。山の本はむしろ都会にいるときに読みます。山で読むのは小説、ドキュメント、エッセーと、ジャンルはさまざま。外は嵐が吹き荒れ、空気も薄いという極限状況の中で、作品の世界に引き込まれ、感動させられる本を読むと、自分の中に不思議な力が湧いてくるのを感じます。

 これまでの人生で感動した本をあえて数冊挙げれば、まずサン=テグジュペリの『星の王子さま』。初めて読んだのは高校生か大学生の頃で、普通の童話のつもりで読み始めたら、ものすごく深い内容の物語だということがわかった。たとえば、物語の最後の方で、キツネが王子さまに言う〈ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない〉という言葉には深い真実が込められています。大人のための最高の童話、と言うべきでしょう。イマジネーションが豊かで、表現が楽しいのもいいですね。

関連記事

トピックス

映画『国宝』に出演する吉沢亮と横浜流星
『国宝』の吉沢亮&横浜流星、『あんぱん』の今田美桜&北村匠海、二宮和也、菊池風磨、ダイアン津田…山田美保子さんが振り返る2025年エンタメ界で輝いた人々 
女性セブン
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト
米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
地雷系メイクの小原容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「家もなく待機所で寝泊まり」「かけ持ちで朝から晩まで…」赤ちゃんの遺体を冷蔵庫に遺棄、“地雷系メイクの嬢”だった小原麗容疑者の素顔
NEWSポストセブン
渡邊渚さん
(撮影/松田忠雄)
「スカートが短いから痴漢してOKなんておかしい」 渡邊渚さんが「加害者が守られがちな痴漢事件」について思うこと
NEWSポストセブン
平沼翔太外野手、森咲智美(時事通信フォト/Instagramより)
《プロ野球選手の夫が突然在阪球団に移籍》沈黙する妻で元グラドル・森咲智美の意外な反応「そんなに急に…」
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)は被害者夫の高羽悟さんに思いを寄せていたとみられる(左:共同通信)
【名古屋主婦殺害】被害者の夫は「安福容疑者の親友」に想いを寄せていた…親友が語った胸中「どうしてこんなことになったのって」
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《累計閲覧数は12億回超え》国民の注目の的となっている宮内庁インスタグラム 「いいね」ランキング上位には天皇ご一家の「タケノコ掘り」「海水浴」 
女性セブン
米女優のミラーナ・ヴァイントルーブ(38)
《倫理性を問う声》「額が高いほど色気が増します」LA大規模山火事への50万ドル寄付を集めた米・女優(38)、“セクシー写真”と引き換えに…手法に賛否集まる
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン