国内

手術時の無駄、今では体毛を剃らないのが常識

今では手術前に体毛をそらないのが常識に(写真/PIXTA)

“ムダな医療、有害な医療をなくそう”という「チュージング・ワイズリー」と呼ばれるムーブメントが起きている。

 無駄な医療は、手術にも多くひそんでいる。チュージング・ワイズリーに詳しい医療経済ジャーナリストの室井一辰さんはこう語る。

「手術前には体毛をそるのが常識でしたが、カミソリでそると傷口から感染症を起こす危険があるため、今はそらないのが常識。術後の抗生物質を投与することも、推奨されません。手術前や手術中であれば意味があるが、術後は意味がないということが最新の研究によって明らかになったのです。

 薬を投与するどころか、早く病院から出た方がいい。入院日数は少ないほど予後がいいという調査結果もあるのです」

 しかし、日本人の入院日数の長さは世界有数だ。OECD(経済協力開発機構)のデータによれば、アメリカの平均入院数が5.5日なのに対し、日本は16.3日。たとえばアメリカで腹腔鏡を使った虫垂炎手術を受けた場合、即日退院できる。

 これらの背景にあるのは、日本の病院の懐事情だ。

「入院は家賃収入と一緒で病院にとって安定した収入源。長く入院してくれたら、その分儲かるのです」(室井さん)

 幅広い知識と巧みな技術を持つ医師だって人間だ。間違うこともあれば、「得したい」と考えることもある。だからこそ、患者も知識をつけて“賢く選ぶ”必要がある。

※女性セブン2019年2月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《自宅でしっぽりオフシーズン》大谷翔平と真美子さんが愛する“ケータリング寿司” 世界的シェフに見出す理想の夫婦像
NEWSポストセブン
裁判所に移されたボニー(時事通信フォト)
《裁判所で不敵な笑みを浮かべて…》性的コンテンツ撮影の疑いで拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26)が“国外追放”寸前の状態に
NEWSポストセブン
山上徹也被告が法廷で語った“複雑な心境”とは
「迷惑になるので…」山上徹也被告が事件の直前「自民党と維新の議員」に期日前投票していた理由…語られた安倍元首相への“複雑な感情”【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカの人気女優ジェナ・オルテガ(23)(時事通信フォト)
「幼い頃の自分が汚された画像が…」「勝手に広告として使われた」 米・人気女優が被害に遭った“ディープフェイク騒動”《「AIやで、きもすぎ」あいみょんも被害に苦言》
NEWSポストセブン
お騒がせインフルエンサーのボニー・ブルー(時事通信フォト)
《潤滑ジェルや避妊具が押収されて…》バリ島で現地警察に拘束された英・金髪美女インフルエンサー(26) 撮影スタジオでは19歳の若者らも一緒だった
NEWSポストセブン
山上徹也被告が語った「安倍首相への思い」とは
「深く考えないようにしていた」山上徹也被告が「安倍元首相を支持」していた理由…法廷で語られた「政治スタンスと本音」【銃撃事件公判】
NEWSポストセブン
不同意性交と住居侵入の疑いでカンボジア国籍の土木作業員、パット・トラ容疑者(24)が逮捕された(写真はサンプルです)
《クローゼットに潜んで面識ない50代女性に…》不同意性交で逮捕されたカンボジア人の同僚が語る「7人で暮らしていたけど彼だけ彼女がいなかった」【東京・あきる野】
NEWSポストセブン
TikTokをはじめとしたSNSで生まれた「横揺れダンス」が流行中(TikTokより/右の写真はサンプルです)
「『外でやるな』と怒ったらマンションでドタバタ…」“横揺れダンス”ブームに小学校教員と保護者が本音《ピチピチパンツで飛び跳ねる》
NEWSポストセブン
遠藤敬・維新国対委員長に公金還流疑惑(時事通信フォト)
公設秘書給与ピンハネ疑惑の維新・遠藤敬首相補佐官に“新たな疑惑” 秘書の実家の飲食店で「政治資金会食」、高額な上納寄附の“ご褒美”か
週刊ポスト
山本由伸選手とモデルのNiki(Instagramより)
「球場では見かけなかった…」山本由伸と“熱愛説”のモデル・Niki、バースデーの席にうつりこんだ“別のスポーツ”の存在【インスタでは圧巻の美脚を披露】
NEWSポストセブン
モンゴル訪問時の写真をご覧になる天皇皇后両陛下(写真/宮内庁提供 ) 
【祝・62才】皇后・雅子さま、幸せあふれる誕生日 ご家族と愛犬が揃った記念写真ほか、気品に満ちたお姿で振り返るバースデー 
女性セブン
村上迦楼羅容疑者(27)のルーツは地元の不良グループだった(読者提供/本人SNS)
《型落ちレクサスと中古ブランドを自慢》トクリュウ指示役・村上迦楼羅(かるら)容疑者の悪事のルーツは「改造バイクに万引き、未成年飲酒…十数人の不良グループ」
NEWSポストセブン