日本ボクシング連盟は2月に入り、山根氏の会長時代に1700万円の使途不明金が見つかったことを公にし、内田貞信・現会長は「今後は弁護士と協議して、刑事、民事などで訴える」可能性を示唆している。
「そんなバカなことあらへん。使途不明金があったというのなら、わしも含めて、関係した人間を呼んだらええ。わしは、会計を担当していなかった。それなのに、“海賊”(昨年夏に山根氏を告発した『日本ボクシングを再興する会』のメンバーを含む現体制の人々を山根氏はこう呼ぶ)はわしだけを刺してきよる。海賊はわしだけを悪者にして、組織がクリーンになっていることをJOCやスポーツ庁にアピールしたいだけ。それは罪のない人間を殺すのと一緒や」
だからといって、名誉毀損などで逆に訴えるといった考えは、山根氏の心にはない。
「本音を言えば、テレビ番組などで、わしと、わしから迷惑をかけられたという人間を同じ舞台に立たせて欲しい。そして、その内容を告白して欲しい。だけど、そういう人は出てこないと思うわ。わしはこれまで、だれひとり、泣かせたことがないんや。過去に女性の問題はあったよ。だけど、金銭にからむ問題や、利害関係でもめたことは一度もない」
YouTubeに関して山根氏は、騒動の勃発以来、TV局のスタッフらから勧められ、興味を抱いていたという。昨年の12月には、旅動画や国内外のアンダーグラウンドな世界に飛び込んでいくスタイルで、138万人の登録者を誇る人気ユーチューバー「ジョーブログ」が、元プロボクサーの亀田興毅と共に山根氏を訪ね、コラボレーションできないかと提案してきたという。
「炎上しているわしをおちょくることで、視聴回数を稼ぎたいだけやろ。あいつらを見て、あいつらのプラスになることしかせんと確信した。それにな、亀田と手を組んで、自分の保身に走っていると思われるのも嫌やった。わしにも、プライドはある」
テレビ番組への出演も、現在はバラエティ番組が中心だ。ニュースを扱うテレビ局としても、疑惑のデパートと化している山根氏の主張を一方的に放送できるはずもない。しかし、強面の山根氏をバラエティ番組で“キワモノ”として扱い、わざわざ恫喝させるような番組構成にして、視聴率につなげようとする。