では、もし私が任CEOだったらどうするか? 手立ては一つしかないと思う。まず、ZTEと合併して2社に分割し、1社は中国国内の事業に特化した国策会社にする。こちらは中国政府と個人情報などを共有する仕掛けを組み込んだ製品を堂々と販売する。もう1社は海外事業専門の「グローバル・ファーウェイ」にして、製品的にはノキアなどと同じく公明正大なものにする。そのボードメンバーは欧米や日本などの人材でグローバル化する(中国人だけにしない)。そこまで行かないと、ファーウェイが今後もグローバル企業として成長していくことは難しいだろう。

 ただし、中国を非難しているアメリカにしても、同じようなことをやっているはずだ。NSC(国家安全保障会議)がテロ対策の名目でサーバーを監視しているし、エシュロンという英連邦主要国が共同運営する通信傍受システムもある。中国が情報通信を傍受・監視するのはダメだがアメリカはいいというのは完全にダブルスタンダード(二重基準)であり、私はどっちもどっちだと思う。

 米中貿易戦争は、一過性のものではなく構造的なものであり、世界の産業構造の変化を理解しないトランプ大統領が退陣するまで続くかもしれない。

※週刊ポスト2019年3月1日号

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