芸能

認知症の98才母を介護中の松島トモ子 いちばん辛いことは?

4年前、認知症を発症する少し前の母・志奈枝さんと松島さん

 95才までヒールパンプスを履きこなし、いつもおしゃれで上品だった母が、突然暴言を吐いて「軍服の兵隊が見える」と言い出した──。レビー小体型認知症になった母を在宅で支える松島トモ子さんに話を聞いた。

「なんで私をいじめるの!」

 絶叫にも似た罵詈雑言が響く。その内容に思い当ることはなく、突然、口汚い言葉が飛び、時には居間の椅子が飛んで来る。これが、松島母娘の日常の光景だ。

◆お嬢様気質の母が激変。地獄のような日々が始まった

 松島トモ子さんの母、志奈枝さん(98才)は95才のころ、レビー小体型認知症を発症。それまでは、体は健康、頭もキリッと明晰。長年一緒に暮らす中でも“老い”を感じさせることはなかったという。

「母は本物のお嬢様なんです。大きなお屋敷で育ち、18才で香港のペニンシュラ・ホテルで社交界デビュー。家にいるときも朝、昼、晩と着替え、いつもおしゃれでキチンとしていました。

 言葉遣いや立ち居振る舞いも美しくて、私の友人にも母のファンがたくさんいます。そんな母を見ていたので、私は年を取ることが全然、怖くなかったの。母のようにいられるなら、年を重ねることが楽しみにさえ思えましたね」

 そんな志奈枝さんの異変に気づいたのは親しい人に囲まれた95才の誕生会でのこと。

「いつも気遣いのある母が、お客様の話に無関心のように黙々と食べ続けていて、まるで別人のようでした」

 心配して声をかけると突然失禁。思いがけない出来事に松島さんは絶句したという。これをきっかけに介護認定調査を受け、認知症で要介護1の認定。そのころから、冒頭のような暴言をはじめ、さまざまな症状が出始めた。

「驚くことばかりでしたね。“戦車が来た!”と言って浴室から飛び出してきたり、夜中、外に出て行ってしまったり。母は健脚ですから徘徊というより遁走。もう追いかけるのが大変でした」

 当初、訪問医が診察していたが、「認知症をもっとしっかり治療したい」との思いから、ケアマネジャーに相談して認知症専門医を受診。そこで初めてレビー小体型認知症と診断され、治療が始まった。

「病名がきちんとついたことで気持ちが楽になりました。症状は変わらないけれど、母は壊れたんじゃない。病気なのだと思えたから。

 それでも2年半くらいは、地獄のようでした。私もパニック障害に陥り、仕事も1年あまり休みました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン