したがって、米中貿易戦争が起きていなくても中国経済は減速していた可能性が高く、放っておくと日本と同じように低迷しかねないのである。言い換えれば、中国は現在の状況をトランプ大統領のせいにしたら対症療法しかできないので、低欲望社会化に対する根治療法(原因療法)を間違えるということだ。
世界の「工場」であり「消費大国」である中国がくしゃみをすれば、日本をはじめ世界中が風邪をひく。日本企業は「尋常でない変化が起きた」という永守会長の言葉を重大な警鐘として受け止め、警戒レベルを上げねばならない。
※週刊ポスト2019年3月8日号