ライフ

「アルツハイマー型」や「レビー小体型」ほか認知症4種の特徴

シニアメンタルクリニック日本橋人形町院長の井関栄三さん

 認知症は今や多くの人の関心事だが、一方で曖昧で偏ったイメージや漠然とした不安を抱く人も多い。

 一般的によく知られるアルツハイマー型認知症以外にも、レビー小体型、血管性、前頭側頭葉変性症ほか多くの種類があり、それぞれ特徴がある。きちんと知っておかないと受診のタイミングを見逃し、症状に翻弄されることにもなる。

 認知症は早期診断、早期治療が大事と語るシニアメンタルクリニック日本橋人形町院長の井関栄三さんに聞いた。

【アルツハイマー型認知症】

■記憶障害
 同じことを何度も聞く、物を置き忘れる、約束を忘れるなど。ヒントがあれば思い出せる老化によるもの忘れとは違い、出来事そのものを忘れる。

■意欲・関心の低下
 今までやっていた家事や好きだった趣味などを億劫がる。

■時間の見当識障害
 年月日、季節が曖昧になる。場所がわからなくなり迷子になったりするのは少し進行してから。
※もの盗られ妄想などのBPSD(周辺症状)も出現。

【レビー小体型認知症】

■幻視 
 現実ではない人物や小動物、生物以外のものが見える。周囲がゆがんで見えたり(変形視)、見間違い(錯視)なども起こりやすい。

■レム睡眠行動障害
 就寝中の悪夢に伴う寝言や体動。本人は自覚がないことも多い。

■認知機能の変動
 ぼんやりした状態と意識がハッキリした状態が1日、1週間、1か月間隔などで変動する。
※初期の記憶障害は目立ちにくい。進行しても比較的認知機能が保たれるため、病気に対する不安や悲観が大きく、うつになりやすい。進行すると、歩行が遅い、転びやすいなどのパーキンソン症状も。

【血管性認知症】

■夜間せん妄
 夜中に起きて大声を上げたり暴れたりする。

■感情失禁
 感情の起伏が激しく、泣いたり怒ったりする。
※アルツハイマー型、レビー小体型に血管障害が伴うケースも多く症状は多様。脳卒中などがきっかけで前ぶれなく発症することも。

【前頭側頭葉変性症】

■人格変化
 抑制が効かなくなり、社会ルールが守れない、理由もなく激昂するなど、元の性格とは違った人格になる。

■常同行動
 同じ時間に同じ行動を行う。同じルートを徘徊して戻ってくるケースも多い。同じものを食べ続けるなどの食行動異常も。

■言葉が理解できなくなる(意味性認知症)
 相手の言葉の意味が理解できず、話せるが、会話は困難になる。
※家族や周囲の見守りが必須の認知症。初期に記憶障害などが目立たないため、認知症と気づきにくい。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《梨園に誕生する元アイドルの嫁姑》三田寛子と能條愛未の関係はうまくいくか? 乃木坂46時代の経験も強み、義母に素直に甘えられるかがカギに
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(クマの画像はサンプルです/2023年秋田県でクマに襲われ負傷した男性)
ヒグマが自動車事故と同等の力で夫の皮膚や体内組織を損傷…60代夫婦が「熊の通り道」で直面した“衝撃の恐怖体験”《2000年代に発生したクマ被害》
NEWSポストセブン
対談を行った歌人の俵万智さんと動物言語学者の鈴木俊貴さん
歌人・俵万智さんと「鳥の言葉がわかる」鈴木俊貴さんが送る令和の子どもたちへメッセージ「体験を言葉で振り返る時間こそが人間のいとなみ」【特別対談】
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン
佳子さまの“ショッキングピンク”のドレスが話題に(時事通信フォト)
《5万円超の“蛍光ピンク服”》佳子さまがお召しになった“推しブランド”…過去にもロイヤルブルーの “イロチ”ドレス、ブラジル訪問では「カメリアワンピース」が話題に
NEWSポストセブン
「横浜アンパンマンこどもミュージアム」でパパ同士のケンカが拡散された(目撃者提供)
《フル動画入手》アンパンマンショー“パパ同士のケンカ”のきっかけは戦慄の頭突き…目撃者が語る 施設側は「今後もスタッフ一丸となって対応」
NEWSポストセブン
大谷翔平を支え続けた真美子さん
《大谷翔平よりもスゴイ?》真美子さんの完璧“MVP妻”伝説「奥様会へのお土産は1万5000円のケーキ」「パレードでスポンサー企業のペットボトル」…“夫婦でCM共演”への期待も
週刊ポスト
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
【本人が語った「大事な存在」】水上恒司(26)、初ロマンスは“マギー似”の年上女性 直撃に「別に隠すようなことではないと思うので」と堂々宣言
NEWSポストセブン
劉勁松・中国外務省アジア局長(時事通信フォト)
「普段はそういったことはしない人」中国外交官の“両手ポケットイン”動画が拡散、日本側に「頭下げ」疑惑…中国側の“パフォーマンス”との見方も
NEWSポストセブン