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2019.03.05 07:00  SAPIO

元号越えを伝えた元NHK松平定知氏 「30秒の余分な時間」の意味

元NHKアナウンサーの松平定知氏

◆「昭和が終わります」

〈松平氏は、正午から断続的に画面に登場し、午前中に行われた剣璽等承継の儀、14時36分、小渕恵三官房長官(当時)による新元号「平成」の発表など、当日の慌ただしい動きをスタジオから伝えた。松平氏は、23時45分からのその日最後のニュースも担当した。“元号越え”という決定的瞬間を伝える、二度とこないだろう機会に、30秒ほど時間をわざとあまらせて、こう話した。

「間もなく、あと22、3秒で午前0時になります。昭和が終わります。平成元年が始まります」

 言い終えた松平氏が頭を下げ、やや間があって午前0時を告げる時報が鳴った。

 それまでニュースを伝える松平氏の口調はいつもと同じように滑らかで、よどみがなかった。それに比べると、元号越えの瞬間を伝えるときには、それまで以上にセンテンスの一つひとつをはっきりと区切り、ゆっくりと話した。そうした“余白”のある話し方ゆえに、時代が変わる瞬間の高揚感が表現され、ドラマチックに感じられた。〉

“元号越え”のアナウンスの際、何をどのように言うか、事前にいろいろと考えました。昭和というのは戦前から戦後へ、戦争から平和へと大きく世の中が変わったことを始め、実にいろいろなことがあった時代です。そのなかで国民一人ひとりがそれぞれの思い出を持っています。なのに、一人のアナウンサー、しかも昭和19年生まれで、戦前のことは知識としてしか知らない私が、元号越えという厳粛な瞬間を迎えるにあたり、「昭和とはこんな時代だった」などと語るのはおこがましいと、30秒の余分な時間を作ることに専心し、あのような表現になりました。

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